年金の受給資格を得られる期間は10年!2017年の改正の概要や注意点まとめ

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年金の受給資格を得られる期間は10年!2017年の改正の概要や注意点まとめ

更新日更新:2020/07/21

公開日公開:2020/05/28

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2017年8月からは、年金の受給資格に必要なピリオドが25年から10年へと半数以下に短縮しています。短くなったことで実際にはどのような変化があるのかなど、具体的な条件について詳しく知りたいという方もいるのではないでしょうか。

変更後の新たな受給資格期間における条件だけでなく注意点まで押さえておくことで、よりしっかりと将来に備えた年金制度への加入計画が可能です。そこでこの記事では、年金の受給に必要なピリオドや注意点をはじめ、実際にいくらもらえるのかといった受給額についても厚生労働省の統計を参考にしながら解説していきます。

くろき

RashiK運営担当
くろき

ひとことメモ

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2017年の法改正により年金の受給資格期間は10年になり、従来よりも期間が短くなりました。ただし、短くなった分具体的に受給できる金額について知っておくことが大切です。

実は、加入している期間が短いほどもらえる年金の額は減ってしまいます。この記事では加入期間の違いによる具体的にもらえる受給額の例も紹介しているので、是非参考にして将来の準備進めましょう。期間が短くなったから年金をもらえると安易に受け止めてはいけません。

年金の受給資格期間は25年から10年に!

2017年8月、年金の受給資格期間に関してルール変更がありました。これにともない、従来であれば加入年数が25年以下の場合には残念ながら年金が入らなかったものの、現在では10年を超える資格期間をクリアしていれば将来年金を受け取れるシステムになっています。

将来年金をしっかりと受け取るためにも、まずは受給資格を得るためのピリオドについて、概要も含めた変更点を詳しく確認しておきましょう。

年金の受給資格期間の概要

年金の受給資格期間とは、将来年金を受け取るために欠かせない加入期間のことです。大きく3つに分けたそれぞれの加入期間を合計することで、受給資格があるかを確認できます。

まずひとつ目は、免除期間も加味した国民年金の保険料を納めたピリオドです。2つ目は、勤めているあいだに船員保険や厚生年金保険、共済組合などに加入していたピリオドを指します。3つ目は「カラ期間」とも呼び、例え年金制度に加入していなくても加えられるピリオドで、3つ全てを足して10年を超えていれば年金の受け取りが可能です。

一方、少しでも条件を満たしていなければ一切もらえないため、できるだけ早い時期からしっかりと確認することで将来に備えておきましょう。

2017年からの受給資格の変更点

年金の受給資格に欠かせないピリオドについての条件が2017年8月1日に変更したことで、現在では新たなルールに基づいた受給が始まっています。変更前は、年金の受給資格を得るためには25年を超えて加入している必要があったのに対して、現在では10年と半数以下に短縮しました。

このように受給するために欠かせないピリオドに関しては大きな変更があったものの、その他特別な条件の追加などはなく、2017年8月以前のとおりです。

年金の支払いや受給の際の注意点

受け取るのに欠かせないピリオドについては大幅な改訂があった一方、加入している歳月が長ければ長いほど、受け取れる年金額が多くなるといった年金の計算式に変更はありません。

そのため、高齢になったときにもらえる老齢年金は10年を超えて加入していれば受け取れるとはいえ、障害年金や遺族年金の条件については変更がないため間違えないよう注意が必要です。

年金の計算式は変わらない

変更があったルールは、あくまでも年金をもらえるかどうかの線引きとなる期間に対してであり、年金の計算式に関する変更はありません。受給資格に欠かせないピリオドが10年と短縮しただけで、受け取れる年金額については、25年を超えて長く納め続けてきた人と同じではないため注意が必要です。

年金の計算式はシンプルで、合計ピリオドが長ければ長いほど、将来の年金受給額が増えます。そのため、10年という年金の受給資格をクリアしたからといって、将来的に安心と考えるのは避けましょう。計算式におけるルールをしっかりと認識した上で、できるだけ長く国民年金に加入しながら将来に備えるのが賢明です。

障害年金や遺族年金の条件は変更されていない

基礎年金には、高齢になったときに生活保障として受け取れる一般的な老齢年金に加えて、万一に備えた障害年金や遺族年金もあります。

中でも、障害年金とは病気やケガなどで仕事などの日常生活に制限が発生した場合、65歳未満であっても受け取りが可能となる年金のことです。また、遺族年金は被保険者が亡くなったときに遺族の生活を保障するための年金であり、どちらも条件に変更はありません。

国民年金の受給に必要となる加入期間は10年に短縮した一方、遺族年金の場合は25年を超えて加入していないともらえないといった条件に変更はないため注意が必要です。10年以上加入していれば年金をもらえると安易に受け止めるのではなく、25年を超えていなければ遺族年金を遺せないなど、万一のことまでしっかりと考えましょう。

年金はいくらもらえるのか

年金の受給資格期間に改訂があったものの、受給額を割り出す方法に変更はありません。そのため、これまでと同じような割り出し方によって、ボーダーラインとなる10年間加入していた場合どのぐらいの金額を受給できるかを予測することが可能です。

また、満額支払った場合に受け取れる月額に加えて、国民年金のみの場合や厚生年金と国民年金を合わせた平均額についても統計をもとにご紹介します。

加入期間が10年の場合

受給資格のピリオドが25年から10年に短縮したとはいえ、受給額を割り出す方法には変更がないため、10年間加入していた場合一体いくら受け取れるのかを割り出してみましょう。

10年間老齢基礎年金に加入していた場合、年間19.5423万円(月額約1.6285万円)を受け取れます。40年間(480か月)全て保険料を払うと満額である78.1692万円を受け取れることから、78.1692万円×保険料の納付期間(120か月)÷480か月=年額で受け取れる老齢基礎年金といった割り出し方です。

老齢基礎年金に比べると、老齢厚生年金の算出方法は込み入っていて、加入ピリオドだけでなく収入によって大きく異なってきます。大まかに10年間加入した場合の老齢厚生年金で考えると、年間10万円~30万円が目安です。

満額の場合

厚生労働省が発表した2020年4月分からの年金額を見ると、年金老齢基礎年金の満額を受け取れる場合には、月ごとの年金額は6.5141万円となっています。2019年には満額時の月額が6.5008円であり、0.2%の増額です。

同じように厚生年金も0.2%増額していて、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額は22.0724万円となっています。夫婦2人分の厚生年金については、あくまでもモデル夫婦の標準的な年金額を算出したものです。

モデル夫婦の夫は、平均的収入である賞与を含む月額43.9万円で40年間就業した場合の満額を指していて、妻は40年間全て専業主婦であった世帯をモデルに算出しています。

参考: 『令和2年4月分からの年金額等について』

年金受給の平均額

加入していたピリオドが10年の場合、満額の場合とそれぞれの年金額についてご紹介しましたが、実際に受給者が受け取っている平均額を知りたい方も多いのではないでしょうか。厚生労働省が公開している厚生年金保険・国民年金事業統計によると、下記のようになっています。

国民年金のみの場合、平均受給額は2018年5.5708万円、2017年5.5518万円、2016年5.5373万円、2015年5.5157万円、2014年5.4414万円です。また厚生年金の平均受給額は、2018年14.5865万円、2017年14.7051万円、2016年14.7927万円、2015年14.7872万円、2014年14.7513万円となっています。

上記の統計から、厚生年金と国民年金を合わせた場合の平均受給額は、2018年で20.1573万円です。

参考: 『平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』

年金を受け取るための手続き方法

これまで年金の受給対象でなかった方も、受給資格に欠かせないピリオドが25年から10年に短縮したことで、新たに対象となり受け取れる方が増えました。条件の変更によって対象となった方に関しては、受け取るための手続きが必要です。

新たに受給対象となった方は、日本年金機構から黄色い封筒に入った手続き書類が郵送で届きます。受け取った書類にも記載のある「ねんきんダイヤル」で予約をしてから、できるだけ早めに年金事務所で手続きを行いましょう。

今後対象となる方に対しては、年齢が近づけば年金請求書が郵送で届きます。年金請求書に必要事項を記入の上、住民票などの必要書類を持参し、なるべく迅速に年金事務所や近くの年金相談センターを訪れて手続きを済ませることが大切です。

加入期間が10年未満の場合の対策方法

加入期間が10年未満で残念ながら年金受給の対象になっていない方でも、しっかりと対策をすれば年金を受け取れます。60歳以上であっても最長70歳までは国民年金に任意加入できるため、加入期間の増加が可能です。

ただし、60歳以上で国民年金に加入するには、老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていないなどさまざまな条件があります。現在厚生年金保険に加入していないことや日本国内に住所がある、保険料の納付月数が40年未満などの条件を全て満たす必要があるため気を付けましょう。

国民年金だけでなく、厚生年金においても老齢年金の受給資格期間をクリアしていない場合、在職中であれば70歳であっても任意で加入できます。そのため、老齢年金の受給対象でない方や受給額を少しでも増やしたい方は、国民年金や厚生年金の任意加入制度を検討するのがおすすめです。

まとめ

2017年8月1日の変更によって、現在では年金の受給資格期間が25年から10年へと大幅に短縮しています。必要な加入のピリオドが短くなったとはいえ、多く受け取りたい場合には、より長い加入期間が必要です。

ご紹介したように万一加入期間が10年未満の場合であっても、任意加入制度を利用するなど対策方法はあります。ただし、しっかりと将来に備えるためには、できるだけ早い内から年金制度への加入計画を立てておくことが大切です。

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