年金の仕組みを徹底解説!種類や制度を知って年金生活に備えよう

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年金の仕組みを徹底解説!種類や制度を知って年金生活に備えよう

更新日更新:2020/07/21

公開日公開:2020/05/28

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老後の生活に備えるためには、年金制度について理解しておくことが大切です。日本の年金制度についてある程度の知識があっても、細かい仕組みを理解できていない方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、老後の生活に不可欠な年金制度について詳しくご紹介します。それぞれの年金の仕組みや保険料のこと、受給のタイミングなどをみていきましょう。あらかじめさまざまな情報をチェックしておけば、有意義に年金を納付・受給するのに役立ちます。

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ひとことメモ

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国民年金、厚生年金、企業年金……年金の種類ってたくさんあって実はよく分かってない、なんてことはないですか?ここでは、知ってるようで知らない年金について、分かりやすく解説していきます。

年金には節税効果や、納める際に免除や猶予制度がありますので、ポイントを抑えて有効活用すれば将来のお金の不安を解消できるかもしれません。

年金の仕組みは3階建て構造?

2020年時点で日本の年金制度は3階建て構造です。2種類の公的年金と、公的年金にプラスして加入する私的年金から構成されています。年金制度についての理解を深めるためにも、それぞれについて詳しく確認しておきましょう。

自分の年金がどのような構成になっているのかは加入状況によって異なり、受給できる金額にも影響します。

公的年金は2

公的年金を大きく分けると「国民年金」「厚生年金」の2種類です。1階部分が国民年金で2階部分が厚生年金になっており、厚生年金の加入状況によって2階建て構造になっているかどうかが異なります。

厚生年金に加入していない場合は第1号被保険者と呼ばれ、加入している公的年金は国民年金のみです。会社員や公務員で厚生年金に加入している場合は第2号被保険者になり、この場合は国民年金と厚生年金の2階建て構造になっています。

会社員や公務員の被扶養者になっている場合は第3号被保険者と呼ばれ、国民年金のみに加入している扱いです。

企業年金や年金払い退職給付もあるなら3階建て

確定給付型の企業年金や年金払いの退職給付、iDeCoを始めとする個人型確定拠出年金などに加入している場合は国民年金や厚生年金に上乗せされます。第2号被保険者がこれらに加入しているときは3階建ての構成になるでしょう。

2階部分までしか加入していない場合に比べて、3階部分にも加入している場合のほうが受給できる年金額が多くなります。老後の生活に十分に備えておきたい人は、3階部分への加入を検討するのもよいでしょう。

主な年金の種類とそれぞれの仕組み

年金について理解するためには、どのような種類の年金があるかを学ぶことが大切です。これから国民年金・厚生年金・企業年金・遺族年金・障害年金の5種類について詳しく見ていきましょう。

それぞれの年金の仕組みや特徴についてご紹介するので、ひととおり確認しておくことをおすすめします。

国民年金の仕組み

国民年金は基礎年金とも呼ばれ、日本国内に居住している20歳以上60歳未満の人全てが加入する年金制度です。保険料を納めなければならない期間は40年で、このうち10年以上納めていると受給資格を得られます。

国民年金の加入者は国民年金保険料を納付しなければなりません。例外として、会社員や公務員などの第2号被保険者の扶養に入っている場合は自分で保険料を納付する必要はありません。

老齢基礎年金の支給開始年齢は基本的に65歳ですが、繰上げ・繰下げ受給を利用することによって60歳~70歳の間で支給開始年齢を選択できます。2020年に65歳で受給開始した場合、全期間保険料を納めた人に対する支給額は78万1,700円です。

厚生年金の仕組み

厚生年金は3階建て構成の2階部分にあたり、会社員や公務員が加入します。保険料は標準報酬月額に保険料率を掛けて算出する仕組みです。2020年5月時点での保険料率は18.3%に設定されています。

使用者が賞与を支給している場合は、賞与に対しても厚生年金保険料がかかるので注意しましょう。標準賞与額を計算して、そこに保険料率を掛けて厚生年金保険料を算出します。保険料率は賃金の場合と同様で18.3%です(2020年5月時点)。賞与にかかる保険料も使用者と被雇用者が折半して納付します。

標準月額報酬や標準賞与額に保険料率を掛けるというシステム上、受け取っている賃金や賞与の額が多いほど納めなければならない厚生年金保険料も高くなるのが特徴です。

企業年金の仕組み

企業年金は年金制度の3階部分にあたります。確定給付型企業年金・企業型確定拠出年金・厚生年金基金の3つに分けられ、それぞれの特徴は次の通りです。

・確定給付型企業年金: 使用者が企業年金基金を設立する、もしくは年金規約を策定して運用するタイプの企業年金
・企業型確定拠出年金: 掛金を個人ごとに管理し、各個人が運用するタイプの企業年金
・厚生年金基金: 使用者と被雇用者の間で給付内容を定め、厚生年金基金を設立して運用・給付を行うタイプの企業年金

この3つのうち厚生年金基金と確定給付型企業年金を「確定給付型年金」と呼び、企業型確定拠出年金を「確定拠出型年金」と呼びます。企業によってどのタイプの企業年金に加入しているかが異なっており、勤務先によって自分が加入する企業年金が決まるでしょう。

遺族年金の仕組み

遺族年金とは、国民年金や厚生年金に加入している被保険者が死亡した場合に遺族に対して支給される年金です。大きく分けて「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」の2つがあります。それぞれの受給資格は以下のとおりです。

・遺族基礎年金: 死亡した被保険者が生計を維持していた「子」または「子のある配偶者」
・遺族厚生年金: 死亡した厚生年金の被保険者が生計を維持していた「妻」、「55歳以上の夫・父母・祖父母」、「子・孫」

遺族基礎年金の受給額は781,700円に子の加算を加えて算出します。子の加算は第2子までは1人につき224,900円、第3子以降は1人につき75,000円です。

遺族厚生年金は基本的に、{平均標準報酬月額×7.125/1,000×2003年3月までの被保険者期間(月数)+平均標準報酬額×5.481/1,000×2003年5月以降の被保険者期間(月数)}×3/4で計算します。

遺族年金を受給するためには、死亡した人の老齢年金の受給資格期間が25年以上必要です。老齢年金の受給資格である10年と混同しないようにしましょう。

障害年金の仕組み

20歳~65歳の間に傷病によって障害等級1級・2級に該当した場合に支給される年金です。障害等級が3級の場合でも、障害厚生年金のみが支給されるのであわせて覚えておくとよいでしょう。

障害基礎年金と障害厚生年金の2種類があります。障害の原因になった傷病に対する初診時に国民年金に加入していた場合は障害基礎年金のみが、厚生年金に加入していた場合は障害厚生年金が支給されます。ただし、以下の場合は障害年金を受給できないので注意しましょう。

  • 初診日の前々月から起算して1年以内に未納期間がある場合
  • 初診日の前々月までのすべての被保険者期間において、1/3以上が未納期間の場合

障害年金は現役世代でも一定条件を満たせば受給できる年金です。障害によって生活に大きな支障がでるときに支えになるものといえるでしょう。

誰でも年金生活に備えられるiDeCoって?

誰でも年金生活に備えるために利用できる方法のひとつにiDeCoがあります。iDeCoは個人型確定拠出年金と呼ばれる私的年金で、自分で掛金を拠出して運用するのが特徴です。

国民年金にのみ加入していて将来の年金額に不安がある場合や、年金額を増やして余裕を作りたいと考えている場合に活用できるでしょう。20歳以上60歳未満の全ての人に加入資格があります。ただし、企業型確定年金に加入していて規約でiDeCoに同時加入できないと定められている場合は加入できません。

iDeCoを利用すると老齢年金の額を増やせるだけでなく、掛金が所得控除の対象になっているので節税面でのメリットもあります。運用益が非課税対象になっているもメリットです。

年金にかかる保険料の金額

年金を受給するためには保険料を納めなければならず、加入している年金保険によって納める金額が異なります。

国民年金保険料は毎年改定され、2020年は1万6,540円です。6か月・1年・2年単位で前納する制度も用意されており、前納すると期間に応じて保険料が割引になります。2021年の保険料は1万6,610円に設定されているため、おおむね1万6,000円程度が目安になるでしょう。

厚生年金保険料は標準報酬月額や標準賞与額に保険料率を掛けて算出し、賃金や賞与の額によって変化します。2020年5月時点での保険料率は18.3%です。

一例として、標準報酬月額が40万円の場合は厚生年金保険料が7万3,200円になります。使用者と被雇用者が折半して納めるため、自分で負担しなければならないのは3万6,600円です。

年金が受け取れるタイミングや受給額

年金を受給できるタイミングや受給額についても見ておきましょう。ここでは国民年金・厚生年金・企業年金それぞれの場合をご紹介します。

受給できるタイミングや具体的な受給額の計算方法を理解しておくことは、将来の生活設計を考える上で大きな助けになるでしょう。計算した結果、受給額が少ないと感じた場合はあらかじめ対策することが大切です。

国民年金の場合

国民年金にのみ加入している場合、40年間フルで保険料を納めた場合の支給額は年額約78万1,700円(2020年)です。未納期間や免除期間が存在している場合の計算式についても見ておきましょう。

  • 未納期間がある場合: 77万9,300円×納付済み月数/480
  • 免除期間がある場合: 77万9,300円×(全額納付済み月数+4分の3納付月数×7/8+半額納付月数×3/4+4分の1納付月数×5/8+全額免除月数×1/2)/480

受給開始は基本的に65歳ですが、申請によって60歳からに繰上げたり70歳からに繰下げたりできます。繰上げた場合は支給額が少なくなり、繰下げた場合は支給額が多くなるのできちんと考慮してから選択しましょう。

厚生年金の場合

厚生年金の場合、国民年金の受給資格を満たしていれば加入期間に応じて報酬比例部分の年金を受給可能です。

受給額を知りたい場合は、平均標準報酬月額×7.125/1,000×2003年3月までの加入月数+平均標準報酬額×5.481/1,000×2003年4月以降の加入月数で計算しましょう。厚生年金の受給額を正確に計算するためにはほかにも経過的加算や物価スライドの処理を行わなければなりません。

厚生年金を受給できるタイミングは国民年金と同様で、基本的に65歳です。60歳への繰上げや70歳への繰下げにも対応しており、利用した場合は繰上げ・繰下げした期間に応じて支給額が増減します。経過措置として、1961年4月1日以前に生まれた男性と1966年4月1日以前に生まれた女性の場合は60歳~64歳で受給できるのであわせて確認ておきましょう。

企業年金の場合

企業年金の受給額は予定利率や脱退一時金、残余財産分配金などによって異なります。企業年金連合会では「年金試算シミュレーション」を用意していているので、こちらを利用して見込額を調べるのがよいでしょう。

企業年金の受給タイミングは厚生年金に準じているため、現役世代の場合は基本的に65歳です。厚生年金と同様に経過措置があり、状況によっては60歳~64歳で受給できるのであらかじめチェックしておきましょう。

繰上げ受給や繰下げ受給にも対応しており、状況や受給できる年金額を総合的に判断して利用することをおすすめします。

参考: 『企業年金連合会 年金資産シミュレーション』

年金制度の覚えておきたいポイントは?

年金制度には他にもいくつか覚えておきたいポイントがあります。年金をきちんともらえるのかが心配なときや、活用できる年金関連の制度にどのようなものがあるのか知りたいときはひととおりチェックしておきましょう。

年金は一般的にイメージする老齢年金だけでなく、見逃せないメリットが数多く存在している制度です。

税金でカバーしてもらえる

年金を運営するために必要な資金は保険料だけでなく、税金も利用されています。国庫負担割合が1/2になっているため、半分は税金といえるでしょう。

これによって、保険料が不足している場合でも不足分が税金でカバーされます。保険料と税金という2重の資金源があるため、安定して受給しやすく受給額に比べて負担する保険料が低く抑えられているのがメリットです。

インフレリスクが少ない

日本の年金制度は物価スライド制を採用しており、物価の変動にともなって保険料と支給額のバランスを取る仕組みになっています。したがって、インフレが発生したときでも受給時の物価に見合った支給額になるため、預金などと比べてリスクが少ないのがメリットです。

逆にデフレが発生したときは支給額が下がり、納付した保険料に比べて支給額が低くなるというデメリットがあります。物価の変動に備えるものというよりは、インフレリスクに備えるものといえるでしょう。

国民年金には免除や猶予制度がある

国民年金には免除や納付猶予があり、財政面の事情で保険料を納めることが困難な場合に利用できる制度です。申請することによって全額免除・3/4免除・半額免除・1/4免除・納付猶予のいずれかが適用され、保険料負担が軽減されます。

全額免除になっている期間は受給できる年金額が1/2になるなどのデメリットはありますが、財政面で厳しいときには助けになるでしょう。

保険料は社会保険料控除ができる

納めた保険料は全額が社会保険料控除の対象です。毎年住所地を管轄する年金事務所から社会保険料控除証明書が送付されるので、確定申告のときに忘れずに申告して社会保険料控除を受けましょう。

納めた保険料分の金額が所得から差し引かれるため、所得税や住民税の負担を軽減できます。年金には節税効果があることを覚えておくとよいでしょう。

国民年金保険料を2年前納している場合は、全額をまとめて納付した年に控除する方法と各年に分けて控除する方法の2パターンのうちのいずれかが利用できます。

障害年金や遺族年金がある

年金には障害年金や遺族年金があり、一定の条件を満たすと受給可能です。障害年金は傷病によって障害が残った場合に受給でき、障害によって就労が不能になったときに生活を保証してくれる大きな助けになるでしょう。

遺族年金は被保険者が死亡したときに遺族に対して支給されるもので、その後の生活に役立つものです。遺族年金の有無によって財政面の状況が大きく変わるため、万が一のときの備えとして役立つでしょう。

年金生活に備える方法

老齢になれば年金生活が待っています。場合によっては障害年金の対象になり、予期せずに年金生活になることもあるでしょう。

老後の生活に備えるためには、年金制度をきちんと理解して現役時代から準備しておくことが大切です。財政面での備えは非常に重要なので、終活の一環として年金について考えておくことをおすすめします。

年金制度はライフプランを設計する上で見逃せません。現役時代にも節税などのメリットがあるため、公的年金や私的年金をうまく活用して将来の不安を取り除けるように行動してみてはいかがでしょうか。

まとめ

日本の年金制度は3階建てになっており、人によってどこまで加入しているかが異なります。有意義に保険料の納付や受給をするためにも、年金制度について詳しく理解しておくのがよいでしょう。

厚生年金の保険料や受給額など計算式が複雑な部分もありますが、ねんきんネットなどを利用しておおよその金額を計算しておけばライフプランの設計に役立ちます。財政面での備えを万全にするためにも、年金についてひととおり確認しておきましょう。

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