相続関係説明図の作り方|作成の目的や必要書類も解説

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相続関係説明図の作り方|作成の目的や必要書類も解説

更新日更新:2021/08/25

公開日公開:2021/07/26

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相続手続きの中でたびたび登場する書類の1つに「相続関係説明図」があります。相続関係説明図とは具体的にどのような書類で、どのような場面で必要となるのでしょうか。

この記事では、相続関係説明図の目的や作り方などについて、詳しく解説します。

くろき

RashiK運営担当
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ひとことメモ

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相続関係説明図とは、被相続人を中心として、誰が相続人なのかがわかるように記載した家系図のようなものです。内容は、戸籍謄本や住民票を確認しながら正しく記載します。初めて見る人にとっても分かりやすいように作成しましょう。

自分でも作成できますが、専門家に依頼したほうがよい場合についても解説しています。

相続関係説明図とは

相続関係説明図とは、相続に関係のある事柄のみを記載した家系図のようなものです。その相続の対象となる亡くなった方(「被相続人」と言います)を中心として、誰が相続人なのかがわかるように記載します。

相続関係説明図の具体例

相続関係説明図は、次のようなものです。

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引用:法務省ホームページ 相続関係説明図例

例を見ていただくと、イメージが湧きやすいのではないでしょうか。

法定相続情報説明図との違い

相続関係説明図と似た言葉に、「法定相続情報説明図」があります。これらはいずれも被相続人を中心として相続人を図で表したもので、一見すると同じもののように見えるかもしれません。

しかし、両者にはいくつかの違いが存在します。

公的なものかどうか

相続関係説明図は、自分で作成すればそれで完了です。特にどこかの機関が認証を与えるものではありません。

一方、法定相続情報説明図とは、登記官が内容を確認して認証文を付した相続情報一覧図を指します。

法定相続情報説明図を取得するには、まず自分で相続情報一覧図を作成し、被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍などの必要書類とともに法務局へ申請しなければなりません。

申請内容に問題がなければ相続情報一覧図が認証され、以後は認証文が記された法定相続情報一覧図の交付を受けることが可能となります。

つまり、「法定」された相続情報一覧図(相続関係説明図)が、法定相続情報説明図だということです。

戸籍などの原本提出が省略できるかどうか

相続登記や金融機関の相続手続きなどの際には、相続関係を証明するため、原則として次のような書類が必要となります。

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本、原戸籍謄本
  • 被相続人の除票または戸籍の附票
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の住民票

しかし、法定相続情報説明図を提出すれば、相続登記や金融機関の相続手続きなどの際にこれらの書類を提出する必要はありません。法定相続情報説明図にこれらの書類の内容が正しく反映されていることが、すでに法務局で認証されているためです。

一方で、自分で作成をしたのみの相続関係説明図だけでは、正しさのお墨付きはありません。そのため、原則通りこれらの書類を提示する必要があります。

記載内容のルールが厳格かどうか

法定相続情報説明図には、厳密なルールが定められています。例えば、相続放棄をした人がいたとしても、法定相続情報一覧図にはその旨を記載することができません。

一方で、相続関係説明図はある程度自由に作成することが可能です。

参考:『法定相続情報証明制度の具体的な手続について』

相続関係説明図を作成する目的

相続関係説明図は、何のために作成するのでしょうか。

相続関係説明図の目的として、2つご紹介します。

戸籍などの原本還付をしてもらえる

1つ目の目的は、戸籍などの書類の原本を返してもらうためです。

相続登記や金融機関の相続手続きなどの際には、上でも説明したとおり、被相続人の出生までさかのぼる戸籍など数多くの書類が必要となります。

このうち相続登記では、相続関係説明図または所定のルールに沿ったコピーの提出がなければ、書類の原本を返してもらうことができません。

そのため、相続登記で原本還付を受けたい場合には、相続関係説明図を添付すると良いでしょう。

なお、金融機関の相続手続きでは、特に相続関係説明図などがなくても書類の原本は返却してもらえることが通常です。ただし、金融機関により異なるルールを設けている場合もあるので、手続き先の金融機関にあらかじめ確認することをおすすめします。

手続き時間の短縮につながる

相続関係説明図を作成するもう1つの目的は、手続き時間を短縮することです。

ご家族であれば、特に書類などを見なくとも被相続人の相続関係について知っているケースが少なくありません。一方で、金融機関などが相続人を把握するには、戸籍謄本や除籍謄本などをつぶさに確認する必要があります。

この確認をする際に相続関係説明図があれば戸籍や除籍を確認するヒントとなるため、確認時間を短縮しやすいでしょう。

特に兄弟姉妹や甥姪が相続人となる場合には確認すべき資料も膨大となる傾向にあるため、相続関係説明図を作成しておくことで手続き先の負担をおおきく軽減することにつながります。

相続関係説明図の作り方

作成は、手書きでもパソコンなどを使用しても構いません。いずれにしても、内容を正確に、かつ初めて見る人にとっても分かりやすいように作成しましょう。

必要書類を集める

はじめに、作成に必要となる書類を集めます。必要書類については、後ほど詳しく解説します。

なお、ここで必要となる書類は相続登記や金融機関の相続手続きでも必要となるため、取得した書類は後日相続手続きに再利用するとよいでしょう。

相続関係の情報を整理する

書類を集めたら、相続関係の情報を整理します。

特に、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等は数も多くわかりづらいことがあります。そのため、まずは出生から死亡までの順に通し番号を振っておくと見やすくなります。

番号は、鉛筆で戸籍などへ直接書き込んだり、付箋を貼り付けたりして記しておくとよいでしょう。

タイトルを書く

情報の整理ができたら、相続関係説明図の作成に入ります。

まずは、タイトルを記載しましょう。タイトルには特に決まりはありませんが、次のように記載しておくと分かりやすいでしょう。

「被相続人 山田太郎 相続関係説明図」

被相続人の情報を書く

次に、被相続人の情報を記載します。被相続人については、次の情報を記載することが一般的です。

  • 氏名
  • 最後の住所
  • 生年月日
  • 死亡年月日

相続人の情報を書く

相続人については、次の情報を記載します。

  • 氏名
  • 住所
  • 生年月日
  • 被相続人との続柄(「長女」「配偶者」など)

それぞれの情報を線でつなぐ

情報が記載できたら、それぞれの情報を分かりやすいように線でつなぎます。

明確なルールがあるわけではありませんが、親子関係であれば一重の線で、婚姻関係であれば二重線でつなぐことが一般的です。

相続関係説明図の作成ポイントや注意点

相続関係説明図と作成する際のポイントは、次のとおりです。

正しく記載する

相続関係説明図に記載する情報は、戸籍謄本や住民票を確認しながら正しく記載します。

例えば、住民票上の住所が「一丁目1番地1」なのであれば、相続関係説明図にも「1-1-1」などと略さずそのまま記載しましょう。また、氏名の漢字も戸籍のとおりに正確に記載することが必要です。

手書きでも良いがわかりやすく作成する

相続関係説明図はパソコンで作成しても手書きで作成しても構いません。

ただし、手書きの際には楷書で丁寧に記載しましょう。

相続登記に使う際は遺産分割か相続かを明記する

相続関係説明図を相続登記に使用する場合には、それぞれの相続人について「遺産分割」なのか「相続」なのかを明記しましょう。

相続で不動産を取得する相続人には「相続」と、遺産分割協議の結果不動産や土地を取得しない相続人には「遺産分割」と記載します。

相続放棄をした人がいればその旨を明記する

相続放棄をした人がいれば、相続放棄をした人の氏名の近くにその旨を明記しましょう。

なお、上で解説をした法定相続情報説明図の場合には相続放棄をした旨を書き添えることはできません。

相続関係説明図を作るための必要書類とは

相続関係説明図を作るために必要となる主な書類は、次のとおりです。

被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本、原戸籍謄本

相続関係説明図を作るためには、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本、原戸籍謄本が必要です。

戸籍謄本とは、取得時点で存命の人が入っており今後も動く可能性のある戸籍のことです。一方、除籍謄本や原戸籍謄本は、その戸籍から全員がいなくなったり戸籍の改製がされたりしてすでに閉鎖されており、今後動く可能性のないものを指します。

これらの書類が必要となる理由は、被相続人の子を全て洗い出すためです。

被相続人に子がいれば、原則として子は全員相続人となります。さらに、第二順位や第三順位の人が相続人となる場合には子が本当にいないかどうかを確認することが必要です。
このように、相続においては子の確認が重要だと言えます。

しかし、最後の戸籍だけでは、その戸籍が作られる前にすでに婚姻などで除籍となった子は確認することができません。そのため、被相続人の出生から死亡までの戸籍等をすべて確認する必要があるのです。

戸籍謄本、除籍謄本、原戸籍謄本は、それぞれその時点で本籍を置いていた市区町村役場で取得します。転籍などが多ければ、その分だけ取得すべき通数も増える傾向にあります。

取得手数料は全国一律で、戸籍謄本であれば1通450円、除籍謄本と原戸籍謄本は1通750円です。

被相続人の除票または戸籍の附票

相続関係説明図に被相続人の最後の住所を書くため、除票または戸籍の附票が必要です。除票は被相続人の最後の住所地の市区町村役場で、戸籍の附票は被相続人の最後の本籍地の市区町村役場で取得できます。

いずれも市区町村により取得手数料は異なりますが、1通200円から400円程度です。

相続人全員の戸籍謄本

相続人が存命であることの確認として、相続人の戸籍謄本が必要です。

戸籍謄本は本籍地の市区町村役場で取得ができ、手数料は全国一律1通450円です。

相続人全員の住民票

相続人の住所を正しく記載するため、相続人全員の住民票が必要です。住民票は住所地の市区町村役場で取得できます。

取得手数料は市区町村により異なりますが、1通200円から400円程度です。

これら以外の書類が必要となる場合の例

例えば次の場合には、これら以外の書類が必要となります。

代襲相続が起きている場合

被相続人の死亡以前に被相続人の子が亡くなっているなどして代襲相続が起きている場合には、次の書類も必要です。

  • 被代襲者(被相続人の死亡以前に亡くなった子など)の出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本、原戸籍謄本

兄弟姉妹や甥姪が相続人となる場合

第三順位の相続人である兄弟姉妹や甥姪が相続人となる場合には、次の書類も必要となります。

  • 被相続人の両親それぞれの出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本、原戸籍謄本

相続関係説明図の必要書類を郵送で取得する方法

相続関係説明図の作成に必要となる書類を遠方の役所から取り寄せなければならない場合もあるでしょう。その場合には、郵送で書類を取り寄せることができます。

書類を郵送で取り寄せる方法と手順は、次のとおりです。

請求用紙を準備する

請求のための用紙を準備して、必要事項を記載します。

請求用紙は各市区町村のボームページなどからダウンロードできるので、それを使用するとよいでしょう。

印刷環境がない場合などには別の用紙に記載しても構いません。必要事項さえきちんと書かれていれば所定の用紙でなくても受け付けてもらえることが一般的です。

定額小為替を購入する

普通郵便などでは、現金を送ることはできません。そのため、書類の取得手数料を支払うために、定額小為替を準備する必要があります。

定額小為替はゆうちょ銀行または郵便局の貯金窓口で購入することができます。50円、100円、150円、200円、250円、300円、350円、400円、450円、500円、750円、1000円の12種類があるので、必要な額面のものを購入しましょう。

購入には、1通につき額面金額のほかに100円の手数料がかかります。例えば、額面450円の小為替を買うためには、550円(450円+100円)が必要です。

夜間や土日に開いているゆうゆう窓口での購入はできません。購入ができるのは原則として平日の日中のみなので、注意しましょう。

また、定額小為替は、役所からお釣りを出してもらえないことが一般的です。例えば、750円の除籍謄本1通を取得するために額面1,000円の小為替を送っても、そのまま250円の小為替の返送が受けられるケースは少ないです。

多くの場合には、役所から「1,000円の小為替はお返しするので、750円分の小為替を送り直してください」と電話が入ります。

そうなれば時間や郵送代金が余分にかかってしまうので、はじめから必要な分を購入し、送付するようにしましょう。

参考:『定額小為替 ゆうちょ銀行』

郵送する

請求用紙や定額小為替の準備ができたら、役所へ郵送して必要な書類を請求します。送付先は「市民課」や「住民課」などが多いですが、市区町村によって名称が異なるので、あらかじめ市区町村役場のホームページで送付先を確認するとよいでしょう。

また、市区町村によっては郵送の事務処理を集中的に行う場所を設けている場合もありますので、確認が必要です。例えば、愛知県名古屋市内の郵送事務処理は、全て熱田区にある証明書交付センターでまとめて行っています。

これら以外の場所へ送ってしまうと、処理に時間がかかる可能性があります。

請求先へ送るものは、次のとおりです。

  • 請求用紙:記載済みの請求用紙です。記載漏れや誤りがないか確認の上同封します。
  • 必要分の定額小為替:上で解説したとおりです。必要な分だけ同封します。
  • 請求者の本人確認書類:運転免許証やマイナンバーカードなどです。
  • 切手を貼った返信用封筒:返送先の住所を明記します。返送先は、原則として同封した本人確認書類の住所となります。

その他、状況によっては請求対象者との関係を証する戸籍のコピーなど別の書類の同封が必要となる場合もあります。

参考:『郵便等による請求について 名古屋市』

相続関係説明図の作成を専門家に依頼した方が良い場合

相続関係説明図は、自分で作成することも可能です。ただし、次の場合には専門家への依頼を検討するとよいでしょう。

相続登記を依頼する場合

相続登記などの相続手続きを専門家へ依頼する場合には、相続関係説明図にその専門家にあわせて依頼することも検討しましょう。

そもそも相続手続きの料金内に相続関係説明図の作成も含まれている場合もあるほか、別途料金だとしてもそこまで大きな加算とならない場合もあるためです。

報酬体系は事務所によって異なるので、依頼を検討している先の事務所へ確認することをおすすめします。

相続関係が複雑な場合

相続関係が複雑な場合には、相続関係説明図の作成や、作成に必要な書類の取得に手間がかかる傾向にあります。

例えば次のような場合には慣れていないと大変な思いをしてしまう可能性が高いため、専門家へ依頼した方がよいでしょう。

  • 数次相続(相続手続きをしないうちに相続人の一部が亡くなってしまったこと)が起きている場合
  • 兄弟姉妹や甥姪が相続人である場合
  • 相続人のなかに住所がわからない人がいる場合

自分で必要書類を集めることが難しい場合

相続関係が複雑な場合に該当しなくても、相続関係説明図を作成するために必要な書類を自分で集めることが難しい場合には、専門家への依頼をおすすめします。

例えば、次のような場合です。

  • 平日の日中に時間が取りづらい場合
  • 相続手続きに多くの時間や手間を割けない場合
  • 被相続人の転籍が多い場合
池邉和美 監修:池邉和美(なごみ行政書士事務所・なごみ相続サポートセンター所長)
行政書士・CFP。愛知県常滑市などの知多半島を中心に、遺言書作成サポートや相続手続き支援などを行っている。著書に「残念な実例が教えてくれる『きちんとした、もめない遺言書』の書き方・のこし方」(日本実業出版社)などがある。
URL  https://ii-souzoku.com/

まとめ

相続関係説明図は、相続手続きで使用する場面の多い書類です。
相続手続きにかかる時間の短縮となり得るほか、一定の手続きでは原本還付を受けるために必要となりますので、ぜひ作成しておきましょう。

作成をする中で相続関係の整理にもつながるので、相続関係がシンプルな場合には、自分で作成にチャレンジしてみてもよいでしょう。
相続関係が複雑な場合や自分での作成に不安がある場合などには、専門家に相談されることをおすすめします。

よくある質問

相続関係説明図とは?
相続関係説明図とは、相続に関係のある事柄のみを記載した家系図のようなものです。その相続の対象となる亡くなった方を中心として、誰が相続人なのかがわかるように記載します。
なぜ相続関係説明図を作るの?
戸籍などの書類の原本を返してもらうため、相続手続きの時間を短縮するために作成します。
詳しくはこちらをご確認ください。
相続関係説明図の作り方は?
まずは必要書類を用意し相続関係の情報を整理します。その後、タイトル、被相続人と相続人の情報を書き、それぞれを線でつないで完成です。
記載する情報の項目はこちらをご確認ください。
相続関係説明図作成時に注意することは?
正しくわかりやすく作成することが大切です。また、相続登記に使う際は遺産分割か相続かを明記すること、相続放棄をした人がいればその旨を明記することに注意しましょう。
詳しくはこちらをご確認ください。

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