相続に欠かせない遺産分割協議書を把握しよう!流れを踏まえて解説

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相続に欠かせない遺産分割協議書を把握しよう!流れを踏まえて解説

更新日更新:2021/07/21

公開日公開:2021/07/21

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故人が遺した遺産を相続するときは複数の人が関わるケースが一般的です。その場合、相続人同士のトラブルが起きないように遺産を分けることが大切になるでしょう。そこで重要になるのが「遺産分割協議書」です。相続人全員が納得した上で相続を行うためにも、きちんと遺産分割協議書を作成する必要があります。

相続の手続きをする上でもこの書類があると、円滑に作業を進めることができるでしょう。今回は、遺産分割協議書を作る上での大切なポイントを項目ごとに紹介します。

遺産分割協議書が必要となるケース

遺産分割協議書は、すべての遺産相続に必要となるわけではありません。遺産分割協議書が必要なのは、遺産分割について相続人同士で話し合いをした場合です。

とはいえ、どのようなケースで遺産分割の話し合いをするのかは把握しておく必要があります。3つのケースを紹介しましょう。

遺言書がないケース

故人が急に亡くなった場合は、遺言書がない可能性もあります。また、急逝ではなくても遺言書を遺さずに亡くなるケースも少なくはありません。そうした場合、まずは相続人が誰であるかを確認する必要があります。その上で、相続人全員が集まって話し合いを行いましょう。

全員が納得のいくような形で、遺産の配分を決定することが大切です。ただし、結果的に、法定相続割合に基づいて分割することが決まれば、遺産分割協議書を作成する必要はありません。

遺言書がなく法定相続割合で分割しないケース

基本的に、法律で相続人が継承する財産の割合が定められています。しかし、必ずしもこの割合に沿って分割をしなくてはならないと決められているわけではありません。

相続人全員で話し合った結果、法律の割合と異なる分割方法となれば、遺産分割協議書が必要となります。

遺言書はあるが不備がある場合

遺言書が遺されている場合は、故人の意思に沿って遺産を分けるのが通例です。とはいえ、遺言書に不備がある場合においては、その限りではありません。例えば、日付が抜けていたり、押印忘れがあったりすると、遺言書は無効となってしまいます。

そのほかにも、具体的な指示がなく、分割方法が大まかに書かれていた場合にも遺産分割を協議する必要が出てくるでしょう。さらに、遺言は正しく遺っているものの、内容的に平等ではない場合は、しっかりと協議しなければあとになってトラブルになる可能性も否めません。

遺産分割協議書の作成期限

遺産自体は、分ける上での期限が法律で設けられているわけではありません。しかし、相続税に関しては、故人が亡くなり相続が始まってから10ヶ月以内に納税する必要があります。また、万が一、故人が多くの借金を残していた場合は、相続放棄を選ぶケースもあるでしょう。相続放棄に関しては、相続が発生してから3ヶ月以内に申告しなければなりません。

申告や納税の都合上、財産の確認や分割における話し合いは、故人が亡くなってから1ヶ月以内には始めることをおすすめします。特に、四十九日までの段階では相続人が集まりやすいため、協議をするのに適しているでしょう。早めに協議をすることで、万が一相続放棄をすることになっても間に合います。

名義変更には遺産分割協議書が必要

相続にあたっては、不動産や預貯金などの名義変更をする可能性もあります。その場合も、手続きの段階で遺産分割協議書の提示を求められるケースがあるでしょう。

例えば、複数の相続人がいる中で、誰かが勝手に名義変更をしてしまうとあとからトラブルになりかねません。しかし、遺産分割協議書を提示することで、誰もが納得していることを証明できるため、スムーズな手続きをおこなうことができます。

遺産分割協議書の作成方法

遺産分割協議書をスムーズに作るためには、作成の流れを把握しておくことが大切です。複数人が関わることですから、できるだけ速やかに手続きを行うことをおすすめします。作成をズルズルと後回しにしてしまうと、結果的に不備があったり添付忘れが起こったりする可能性もあるでしょう。ここでは、遺産分割協議書の作成方法をまとめています。

財産を確認する

まず大切なのは、故人がどれだけの財産を持っていたかを確認することです。預貯金や不動産だけではなく、ローンや借金など負の財産もあることを忘れてはなりません。

遺産分割協議を行ったのに、後から知らなかった財産が見つかると、振り出しに戻るというケースもあります。二度手間にならないように、協議に移る前に財産について漏れなく確認しておくことが重要です。

財産を調査するにあたって、故人の自宅や自室だけではなく、スマホやパソコンもチェックするようにしましょう。故人しか知らない取引のメールが届いている可能性もあります。また、銀行や保険会社など生前取引のあった機関へも忘れずに問い合わせることが大切です。

遺産分割協議を行う

全ての財産が判明したら、いよいよ遺産分割協議を行います。話合いは必ず相続人全員が揃った状態でおこない、納得の上で決定することが大切です。万が一、ひとりでも反対する相続人がいれば、後からトラブルになってしまう可能性があるため、注意しましょう。

また、相続税についても配慮する必要があります。相続税の基礎控除額を超えてしまうと相続税がかかるため、遺産分割をどのようにするかによっては相続税額が変わってくる可能性あるでしょう。遺産分割に関して不明瞭な点がある場合は、専門家に入ってもらうことを視野に入れることをおすすめします。

遺産分割協議書を作成する

遺産分割協議にて決定した事項を、遺産分割協議書にまとめていく作業に移ります。この書類を作成することで、相続人全員が納得した上で遺産分割が決定したという証拠になるため注意して作成するように心がけましょう。最終的に、相続人全員が押印して完成です。

遺産分割協議書の注意点

遺産分割協議書は非常に重要な書類であり、さまざまなシーンで証拠となります。そのため作成にあたっては、いくつかの注意点があり、注意点に沿って丁寧に作成することが大切です。ひとつでも怠ってしまうと、トラブルの原因になったり遺産分割協議書として認めらなかったりするため、注意しましょう。

できるだけ早めに作る

遺産分割協議書は、話合いが終わったらなるべく早めに作成することが大切です。時間を置いてしまうと、話の内容がわからなくなったり気が変わる人が出てきたりする可能性も否めません。相続に関わる全ての手続きが滞ることにもつながるため、話合いをしたその日のうちにまとめることをおすすめします。

書式に決まりはない

遺産分割協議書は、決まった書式が設けられていません。手書きでもパソコンでも問題ないとされています。また、ペンや用紙も自由ですが、パソコンを使える場合はネット上で雛形を配布しているサイトもあるので便利でしょう。その際は、A4用紙に印刷することをおすすめします。

漏れなく記載する

遺産分割協議書には、相続人全員の名前とは別に、個人の情報を明記する必要があります。すべての情報を漏れなく記載することが大切であり、万が一記載漏れがあった場合は無効となってしまうでしょう。また、書面自体はパソコンで作る方が便利ではありますが、署名する場合は手書きをした方が後々トラブルに巻き込まれにくくなります。その際に押印する印鑑は実印が適切です。

遺産分割協議書が複数枚になったら割印を

遺産分割協議の内容によっては、用紙が複数枚になる可能性があります。一枚だけの場合は、署名と捺印だけで問題ありませんが、複数枚の場合は割印をしなければなりません。その場合、ページのつなぎ目に当たるところに、全員の割印を押すようにしましょう。

遺産分割協議書は公正証書がおすすめ

公正証書とは、法務大臣が任命した公証人により作成された公文書のことを指します。ほとんどの場合、元々裁判官だった人や法務局長を担当したことのある人など、法律に関して専門的な知識がある人が就任するのが公証人の特徴です。遺産分割協議書を公正証書にするとさまざまなメリットが挙げられます。

スムーズに手続きが行える

遺産分割協議書を公正証書で作成すると、個人的に作成したものに比べて信用性が高くなります。そのため不動産の登記や名義変更、相続税の申告においてもスムーズに受理されやすくなるといったメリットがあります。

トラブルを予防できる

公証人が間に入ることで、専門家における第三者の目で相続人全員の意思を確認することになります。そのため、小さな疑問や問題点に関しても相談しやすくなり、公平な立場でアドバイスをしてもらえるため、相続人全員が納得しやすくなるメリットがあるでしょう。その上で、遺産分割協議書を作成するため、後々のトラブルも起こりにくくなります。

紛失の可能性がない

遺産分割協議書を公正証書として作成すると、原本が公証役場に保管されることになります。その期間は実に20年となっており、非常に安全性が高いといえるでしょう。個人的に保管した場合に考えられる、紛失や盗難のリスクも避けられます。

公正証書にはデメリットもある

非常に便利で安全性の高い公正証書ですが、デメリットもいくつかあります。スムーズに遺産分割協議書を作成して手続きをするためには、デメリットについても把握しておくことが大切です。事前にわかっておくと、対処がしやすくなるでしょう。

費用がかかる

自分たちで個人的に遺産分割協議書を作る場合には、必要書類を集める以外に費用がかかることはありません。しかし、公正証書として遺産分割協議書を作るに場合には、費用がかかることを頭においておく必要があるでしょう。とはいえ、さほど高額な費用ではないため、スムーズに文書が作成できることを考えればデメリットとはいえないほどです。

時間がかかる

公正証書を作るためには、間に公証人が入ることになります。複数人が絡む場合、自分たちの協議においてもそれなりの時間がかかりますが、公証人を介して書類を作成するとなると、作成完了までに時間がかかる可能性があるでしょう。とはいえ、費用と同じく後々のトラブルが起こらないための時間と考えると、問題になるほどではありません。

まとめ

遺産分割協議書は、遺された親族がこれからも穏やかに暮らしていくためにも非常に大切な書類といえます。面倒だからといって適当にしてしまうと、結果的に痛い目を見る可能性も否めません。故人の想いも汲みながら、誰もが納得した状態で遺産分割が行えるように、しっかりと協議することをおすすめします。

また、作成方法がわからなくなったときは、公証人といったプロにアドバイスをもらうことも大切です。相続分割協議書を作成する際は、わからないまま進めてしまわないように注意しましょう。

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