在宅介護をどう乗りきる?メリットやデメリットや活用できる介護サービスを解説

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在宅介護をどう乗りきる?メリットやデメリットや活用できる介護サービスを解説

更新日更新:2020/10/20

公開日公開:2020/10/19

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家族の介護が必要になったとき、選択肢の一つとなるのが自宅で要支援・要介護となった被介護者の面倒をみる「在宅介護」です。

この記事では、在宅介護にはどのようなメリットやデメリットがあるのかご紹介します。また、長い在宅介護を乗りきるためのサービスや心構え、在宅介護の終わりの迎え方を解説します。

くろき

RashiK運営担当
くろき

ひとことメモ

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「在宅介護」と聞くと、とても大変そう、自分にはできるかわからない……というネガティブな印象を持たれる方も多いですよね。住み慣れた家で家族とともに余生を過ごせる利点がある一方、介護者にとっては肉体的・精神的負担がとても大きいことも理解しなくてはなりません。

そんな在宅介護を支えてくれるのが、行政のサービスです。制度を知り上手に活用することができれば、介護者の心の支えとなるでしょう。

在宅介護のメリット・デメリット

いざ介護を始めるとなると、どのような形で高齢家族のお世話をするか迷うこともあるでしょう。
家族の負担が大きいことでも知られる在宅介護ですが、まずはどのようなメリットやデメリットがあるのか解説していきます。

在宅介護のメリット

まず、在宅介護の最大のメリットは、本人が家族とずっと一緒にいられることです。愛する人がそばで付きそうことで安心感が生まれ、高齢家族の混乱が少なくてすみます。住み慣れた家に最期までいられることも大きなポイントです。

また、在宅介護は費用を安く抑えることが可能です。老人ホームでは月額料金のほか、入居一時金など高額な出費が避けられません。在宅介護なら、自宅の環境を整えるための費用以外は必要ありません。

在宅介護のデメリット

一方で、家族への肉体的・精神的・労働的負担が大きくなるというデメリットが存在します。以前は元気だった本人がどんどん弱り、変化していく様子を目の当たりにすることで、心が暗くなってしまうケースもあります。

また、家族の介護者の多くが専門家ではないため、ヘルパーが提供するようなケアが行えない場合あります。

さらに、要介護度が重くなった方の介護は24時間休みのない重労働になることが多く、特にワンオペ介護だと大変な重荷になります。介護者の心身のケアや、介護者自身へのサポート体制などの整備が必要です。

在宅介護に必要な準備

在宅介護をしていくにあたり、どのような準備をしておけば良いのでしょうか。在宅介護をスムーズに進めるために必要な3つのポイントをご紹介します。

介護の基礎的な知識

介護は命を預かる、専門的知識が必要な「労働」です。例えば食事の介助でスプーンをどう持つと食べやすいか、お風呂で体を洗うときどこからはじめるのが良いのか、褥瘡(床ずれ)ができないために何ができるか、誤嚥のときの対処法などが挙げられます。

自己流で行うのではなく、本や雑誌などできちんとした知識を身に付けておくことが必要です。介助の方法だけでなく、かんたんな医療知識も知っておくと安心です。

介護保険制度の活用

日本の介護制度は申告式になっており、介護保険料を払っていれば、担当窓口で申請することで、幅広いサービスを1割〜3割負担で受けることができます。減免制度や給付金などの経済的サポートも用意されています。

これらのサービスを受けるためには、要支援・要介護認定を受け、ケアマネジャーとともにケアプランを作成する必要があります

また、要介護認定には申請から1ヶ月近くかかります。制度活用のためにも、入院している間など、早めに市町村の窓口にて手続きを行いましょう。

こちらの記事もチェック! 介護度とは?要支援・要介護の基準を解説

住環境の整備

公的支援制度を使って、住居のバリアフリー工事を行う必要もあります。高齢者はたった数ミリ、1センチ程度の段差でもつまずいて転倒、骨折することがあります。手すりやスロープを設置する、風呂や洗面所にいたるまで冷暖房の設備を行き渡らせるなど、きめ細かい配慮が重要です。

日常生活を安全に送るための工夫を行うことで、将来的に要介護度が重くならないよう予防することができます。

バリアフリーのリフォーム工事には行政から「住宅改修費」として、最大20万円が支給されます。所得に応じて支給額は異なるため、金額の詳細はケアマネジャーに確認をしておきましょう。

在宅介護で活用できる介護サービス

在宅介護でうまく活用したいサービスを紹介します。これらのサービスは介護保険制度で利用することができるため、自己負担額もさほど多くはならないのが特徴です。

訪問系サービス

訪問サービスは別名「ホームヘルプサービス」とも呼ばれます。在宅介護を支える介護サービスの柱となる存在です。医療従事者やリハビリの専門家などが自宅を訪問し、要介護者のケアを行うサービスです。

重労働となる入浴介護や、長時間横になっていることでできる褥瘡(床ずれ)の手当て、お年寄りが悩むたんの吸引、栄養管理や服薬指導などを自宅でやってもらうことができます。
また、夜中のトイレ介助や、認知症などの場合に深刻な課題になる夜の徘徊は、地域密着型サービスの「夜間対応型訪問介護」や「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」で対応が可能です。要介護度によって受けられる支援は異なっています。

通所系サービス

通所介護とは、利用者が施設に通ってレクリエーションや運動などを行う、いわゆる「デイサービス」のことです。ほかの利用者や介護職員とふれあうことで適度な刺激を得られ、専門的な見地から組まれたプログラムで身体機能の維持向上をすることができます。

通所リハビリテーションサービス「デイケア」では、歩行訓練など医療的なケアを重点的に行います。医療従事者の指導のもとで、日常生活に必要な機能を向上させるリハビリです。
その他、認知症に特化したデイサービスや、常に医療従事者が必要な難病の方、重篤患者に対応できる通所サービスなど、その種類は多岐に渡ります。

宿泊系サービス

四六時中、介護が必要な家族を見守り対処する介護者の休息を確保するために、宿泊系サービスも活用しましょう。「短期入所生活介護」や「短期入所療養介護」はショートステイと呼ばれます。

自宅から離れて施設に泊まり、日常生活の介護や機能回復訓練を行うものです。通常は数日から1週間、施設に短期入所します。施設によっては最大1ヶ月の短期入所が可能です。

在宅介護を乗りきるために

ここからは、長期化することが予想される在宅介護を乗りきるための心構えやサポート体制の構築、適切なケアについて解説します。

自分の時間や居場所を確保

朝起きてから眠りについている間まで、四六時中本人や介護のことを考えていると心身が持ちません。デイサービスや宿泊サービスなどを使って「1人の時間」を持てるよう、工夫をすることが大切です。長い山登りのような介護生活をやりぬくためには、どう休むかを考える必要もあります。

介護の悩みは誰にでも相談できるものではありません。他の在宅介護仲間や、信頼できる家族など、苦しい思いを吐き出せる環境を自分から確保しておきましょう。

介護者を追いつめる要素を知っておく

介護者を追いつめる3つの要素を知っておくことで、予め想定できるリスクをカバーする仕組みを作っておくことが大切です。

1つ目は肉体的負担です。数十キロある生身の肉体を抱えたり、夜間の呼び出しに応じて睡眠時間を削られたりするなど、肉体に非常に負荷がかかります。介護者が自身の健康に配慮する余裕を持てず、倒れてしまうケースもありますので注意が必要です。

2つ目は精神的負担です。認知症や病気によって人格が変わっていく家族の姿、24時間気を張っていなければならない日々など、ネガティブな感情で押しつぶされそうになることもあります。

3つ目が時間的負担です。頻繁に被介護者への手助けが必要になると、仕事はもちろん家事や休息もできなくなることが多くなります。介護離職も深刻な問題です。肉親の介護はお給料が出るわけでもないので、経済的に厳しくなることもあります。

ロードマップを作成しておく

目の前のことで精いっぱいになってしまう在宅介護ですが、まずロードマップを作成することをおすすめします。ノートに介護の開始から、残された時間、置かれている状況などを整理します。

今後予想される出来事を時系列で考えると、どの段階でどのような介護や医療が必要になる可能性があるか、知っておくことができ、マネープランも立てやすくなります。また、他の家族や協力者の状況も可視化しておけば、介護労働の分担や割り振りもできるようになります。

在宅介護の「終わり」について考える

いつかは必ず全ての人におとずれるもの、それが「死」です。介護の終わりには今生の別れが待っています。在宅介護における看取りや、見送ったあとの介護者の日々についてもご紹介します。

状況によっては施設入所も

在宅介護の終わりの形の1つとして、施設入所があります。要介護度のレベルが上がった高齢家族を自宅で介護することが限界になった場合、有料老人ホームや介護福祉施設に託すことも重要な選択肢です。

無理をすることなく、介護者や被介護者自身にとってゆとりを持った方法を選ぶことが、共倒れや事故を防ぐことにもなります。主治医や専門家、家族などに相談をしながら、できる介護を行うことが大切です。

必ず訪れる介護の終わり

親や肉親の死がゴールで待ち構えているもの、それが介護です。いざ亡くなったときの手続き、葬儀、介護終了後の社会復帰までの道筋を考えておく必要があります。
被介護者が元気なうちに、エンディングノートや遺言書を作成し、相続やお金の問題を回避することも重要です。

また、長年世話をしていた高齢家族が亡くなったあとは「グリーフケア」も必要です。グリーフケアとは、遺族の悲しみをいたわり、寄り添い援助することで、死別を乗り越えていくための作業です。親しい周囲や専門家の手を借りながら、自分の気持ちを落ちつけていくことになるでしょう。

まとめ

在宅介護は家族と一緒にいられるというメリットがある反面、介護者にとって負担がかかることも事実です。介護者と被介護者が共倒れにならないよう、主要介護者以外の家族、ケアマネジャーや専門家の力を借りることが重要です。

いざ在宅介護をすることになったら、一人で抱えこまずに、無理のない範囲でケアを行いましょう。

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