相続にも時効がある 確認しておきたい7つを紹介

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相続にも時効がある 確認しておきたい7つを紹介

更新日更新:2020/08/18

公開日公開:2020/08/18

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故人の財産を引き継ぐための相続にはさまざまな手続きがあります。申請が必要な項目も多方面にわたるため、うっかり忘れてしまうこともあるかと思います。そのような時、相続の権利がどのようになるのか気になる方もいるのではないでしょうか。

相続手続きにも時効があり、一定期間が経過すると権利を失効するケースもあります。時効の期限や仕組みを把握しておけば、手続きの優先順位を考える時にも役立つでしょう。

そこでこの記事では、相続で知っておきたい7つの時効を紹介します。相続で損をしないためには時効をよく知った上でスムーズな対応が重要です。相続の時効について詳しく知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

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ひとことメモ

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様々な手続きを進めなければならない相続にも時効は存在します。知らないと権利がなくなり、損をしてしまうかもしれません。

今回まとめた7つの時効を知っておけば、どの順番で手続きを進めていけばいいかのチェックリストがわりにもなりますので、一通り確認しておくと安心です。

遺産相続の時効ってなに?

遺産を相続するには申請が必要な項目があります。相続が発生したとき、財産が遺されていれば相続人は財産を相続できますが、相続財産があっても何もせずにいるとどのようなことが起こるのでしょうか。

何もせずに一定期間が経過すると、相続できないこともありえます。時効とは何なのか、基本的な内容から確認しましょう。

期限までに申請しないと権利がなくなること

相続には時効があり、手続きを行わないまま定められた期間が経過すると、財産を受け取る権利が失効する可能性があります。このように権利が行使されずにいるとその権利が消滅することを消滅時効といい、相続にも適用されます。

消滅する期限は各項目によって異なるため、自分に関係のある権利の消滅時効期間は個別の把握が必要です。相続に関係がある権利は短いものは3か月、長いと6年や10年の猶予があるものもあります。

自分にどのような権利があり、いつまで有効なのか把握しておかなければ、大きな損害を被ることもあるかもしれません。

時効が過ぎるとリスクがあることも

時効が過ぎると、遺産を受け取れないだけにとどまらず、重大なリスクを抱える危険性もあります。相続財産は相続人にとってプラスになる資産だけに限らず、借金などのマイナス要素も含まれるためです。

相続される財産が資産よりもマイナスのほうが多い場合は相続放棄してマイナスを弁済する義務を引き継がないように申請するのが一般的ですが、相続放棄が可能な期間を過ぎて権利を失効した場合、マイナス分を相続人が弁済しなくてはならなくなってしまいます。

消滅した権利を取り戻すには裁判が必要な場合が多く、簡単にはいきません。権利が戻ったとしてもすべての権利が行使可能とは限らず、1度失効したら行使できなくなる権利もあります。不要なリスクを負わないためにも、時効には十分に気を配っておきましょう。

相続で確認しておきたい7つの時効

相続を行うにあたって確認が必要な主な時効は7つです。相続の手続きは分かりにくいものが多く、何から行えばよいのか分からない方もいるでしょう。これらの時効期間を把握しておけば、どのような順番で手続きを行うべきかの指針になります。

遺産分割協議の時効

相続人が複数人いて遺言書がないときに、相続者が各自の遺産の取り分を決めるための話し合いが遺産分割協議です。協議方法は特に定められていませんが、相続人が全員参加しなければなりません。話し合いの内容を遺産分割協議書として書面で残すことも大切です。

遺産分割請求権に期限はなく、消滅することはありません。遺産分割協議を行うために場所や時間の指定はなく、届け出なども不要です。相続人がそろっていればいつでも行えます。

財産に差があるときに追加で請求できる時効

法定相続人は、最低限の財産を相続できる権利である「遺留分権」が認められています。遺言書で遺産配分が決まっている場合は遺言書のとおりに遺産配分を行いますが、特定の相続人に財産の多くが分配されていて最低限の分配が受けられなかった場合、最低限の遺産を確保するために遺留分侵害額請求が可能です。

遺留分を請求する権利は1年の時効が設定されています。相続開始を知らない状態の場合は10年です。時効が過ぎると遺留分を請求する権利は認められなくなるので、必要であればなるべく早めに行使しましょう。

相続人以外が相続してしまったときに回復する時効

法定相続人には被相続人の財産を相続する権利があり、この権利を侵害された場合、相続回復請求権を行使できます。ほかの相続人が自分の相続分以上に遺産の取得を主張しているときや、本当は血縁関係がない人が相続資格を主張して遺産を取得しているときなどに侵害された権利を回復するために行使する権利です。

相続回復請求権の時効は、相続が始まっていて権利が侵害されていると判明してから5年と設定されています。相続の事実を知らない場合は20年です。請求方法は相手に直接請求する方法と裁判所に申し立てる方法があります。直接請求しても解決する可能性は低いため、多くの場合は裁判所で申し立てることになるでしょう。

相続税の時効

相続税の申告期限10か月に設定されており、期限内に申告を済ませないと延滞税や無申告加算税、悪質と判断された場合はさらに重加算税が課されます。

相続税には5年もしくは7年の2パターンの時効期間が設けられており、期間内に税務署から相続税を請求されなければ支払っていなくても納税義務は消滅します。

5年で時効となるのは善意の相続人です。善意の相続人とは、自分は相続税の申告や支払いをする必要があると知らなかった人を指します。申告が必要と知っていながらしていなかった場合は悪意の相続人とみなされ、時効は7年です。

相続放棄の時効

相続財産の内容が資産よりも債務のほうが多かった場合など、相続財産を受け取らないほうがよいケースもあります。このような時は、資産も債務もすべて放棄する相続放棄の相続方法が有効です。相続放棄の手続きは相続開始から3か月以内と決められており、3か月の期間が過ぎるとすべての相続財産を引き継ぐ「単純承認」と扱われます。

期限内に手続きを行えなかった場合でも、相続放棄が認められるケースもあります。資産と債務の内容が明確でなく判断ができなかった場合や、期限が過ぎてから借金の存在が分かった場合は、期限が過ぎていても認められることもあるのですぐに諦めないほうがよいでしょう。

不動産名義変更の時効

土地や家といった不動産を相続した場合、不動産は故人名義になっているので相続人の名義に変更する必要があります。名義変更に時効はないため、余裕があるときに行っても問題ありません。

しかし、不動産の名義を故人のままにしておくと問題が発生する可能性があります。名義が故人になっていると第三者から不動産の持ち主が判別できないため、売却したり担保にしたりすることはできません。長いあいだ放置すると証明書の保管期限が切れて手続きに必要な書類がそろいにくくなり、手続きが難しくなることも考えられます。

場合によっては相続問題に発展することも考えられるので、時効がないからと放置せずに早めに対処することが望ましいでしょう。

生前贈与の時効

亡くなってから財産を渡すことを相続といいますが、生前に渡す場合は生前贈与となります。相続で相続税が発生するように、生前贈与を受けた場合は贈与税が発生するので申告が必要です。

生前贈与で発生する贈与税は6年または7年です。贈与税の場合と同様に、申告する必要があると知らなかった善意の相続人は6年、必要性を認知していてもしていなかった悪意の相続人とみなされた場合は7年になります。申告を行っていなかったとしても、時効期間を過ぎても税務署から請求されなければ、納税義務は消滅します。

相続で知っておくと便利な時効

時効についての情報は普段耳にする機会が少なく、自分から知識を得ようとしなければ有用な情報は得られないでしょう。最低限必要なことは知っていても、周辺情報には詳しくないという方もいるのではないでしょうか。そこで、知っておくと便利な相続に関する時効の情報を紹介します。

預貯金を相続する時効

金融機関の預貯金にも消滅時効があります。商事債権が適用される銀行は5年、適されない信用金庫や労働金庫などは10年です。

後から故人の預金通帳が見つかったケースでは、5年や10年が経過していることも考えられます。この場合は預金債権が消滅して預金を引き出せないのかというと、そのようなことはありません。多くの金融機関では時効を援用していないため、期間が過ぎていても預金を引き出せます。

ただし、故人の口座は凍結されていることがほとんどのため、預金を引き出せるのは相続人のみです。一定以上の額を引き出すには家庭裁判所へ申請が必要なことも覚えておきましょう。

遺言の無効確認の時効

遺言書には法的効力が発生します。しかし、遺言書の信ぴょう性が疑われる場合は遺言の無効確認の訴訟を起こして、遺言書の効力について審議することになります。遺言の無効確認に時効はなく、相続が始まってどれだけ時間がたっていても申し立ては可能です。

遺言の無効確認が行われるのは、遺言書が被相続人以外の筆跡で書かれていた場合や、遺書を書いた時の被相続人の遺言能力に問題があった場合などが挙げられます。時効がなくても時間がたつほど無効を立証するのが難しくなるので、できるだけ早めに行動したほうがよいでしょう。

相続人がいなくなってしまったときの時効

相続放棄した人は相続人として扱われないため、相続人全員が相続放棄した場合は相続人が1人もいなくなり、相続債権の時効を主張する人がいなくなります。相続人全員が相続放棄して管理人も選任されていない場合は、時効は停止します。

相続財産の処理には時間を要することが多く、相続が完了するまでは相続財産の権利義務がどこにあるのか確定していない状態です。相続人か管理人が確定するか破産手続きが開始されるまでは猶予期間となり、時効は完成しません。

気を付けたい 不動産などの時効取得

相続で不動産などを扱う際は時効取得が問題となることがあります。時効取得とはどのような制度なのか、どのような時に時効取得が起こるのかといった基本的な情報を確認して相続をスムーズに進めましょう。あわせて、課税対象であるかについても解説します。

一定期間占有後に所有権が移ること

時効取得とは、要件を満たした上で他人の物を一定期間占有すると、時効で取得できるという制度です。時効取得の対象には土地や家などの不動産も含まれます。

つまり、他人の不動産を使用している人が要件を満たすと自分の所有物だと主張できるという制度です。長年放置していた土地を相続しようとしたとき、権利関係が複雑になっていて相続登記が困難になっている場合があります。このような時に時効取得を利用すれば、所有権をはっきりさせるのに役立つでしょう。

時効が成立するための3つの要件

時効には要件があり、ただ不動産を使用していれば取得できるわけではありません。時効取得を成立させるには、下記の要件を満たす必要があります。要件を満たした上で、時効を援用して認められればその不動産を取得できます。

  • 所有の意思があること……自分の所有物であるという意思をもって自主占有していなければなりません。家賃を払っている賃貸物件や、ほかに相続権をもつ人がいることを知っている場合は無効です。
  • 平穏かつ公然の占有であること……隠れて占有している場合や暴力的な占有の場合は該当しません。
  • 他人の物を一定期間占有していること……原則20年占有している必要があります。善意・無過失の場合は10年です。

登記、所得税の支払いが必要

時効取得した場合でも登記は必要です。時効を援用して登記手続を命じる判決を受ければ、ほかの相続人の同意を得なくても単独で登記可能になります。

ただし、この場合登記の原因は時効取得になり、一時所得として扱われるため所得税が課税されます。相続財産であっても時効取得したものは相続税の対象ではないので、間違えないように注意しましょう。

まとめ

相続にも時効が設けられており、知らずに期限が過ぎると取得できるはずのものを得られず、背負う必要のない借金を支払う義務を負うことがあります。このような事態を防ぐために、相続に関わる7つの時効の期限はしっかり確認しておきましょう。

時効の期限を把握しておけば、どの手続きから行えばよいのか段取りも明確になります。期限直前になって慌てることがないように、優先順位を意識してスムーズに進行できるスケジューリングを心掛けましょう。

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