「お墓はいらない」と考えている人におすすめの供養方法や墓じまい方法を解説

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「お墓はいらない」と考えている人におすすめの供養方法や墓じまい方法を解説

更新日更新:2020/08/04

公開日公開:2020/08/04

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最近はお墓に入らず、別の納骨方法を選ぶ人が増えています。樹木葬や散骨などはよく耳にするのではないでしょうか。最近では納骨すらしない供養の方法も登場しています。お墓に入る以外にどのような納骨方法があるのか、詳しく知りたいという方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、お墓以外に遺骨を安置するさまざまな方法をご紹介するとともに、「墓じまい」と呼ばれるお墓から遺骨を移動させる方法についても解説します。多様化する供養の方法を知ることで、自分はどのような納骨をしてもらいたいのか判断することができるでしょう。

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ひとことメモ

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最近では、散骨や樹木葬といったお墓を持たない供養を選ぶ人も多くなってきました。費用の面や時代の変化でお墓を持つという固定概念も薄れてきつつあります。

この記事ではお墓を持たない場合の様々な供養の方法についても説明しています。改めてお墓の意味を理解し、自分にあった供養の方法を検討していきましょう。

お墓はいらないという人が急増している理由

最近、お墓はいらないという人が増えています。社会情勢や価値観の変化が大きく影響していると言えるでしょう。

日本の墓は、江戸時代から続く檀家(だんか)制度と、明治時代に始まった「家制度」と密接に結びついています。一族の名前(家)を代々引き継いでいくもののひとつとして、墓がありました。しかし、価値観の変化や未婚者の増加などで、墓に対する考え方が変わっています。

理由1:お墓を継げる人がいない

墓をいらないと考える人が増えた理由のひとつに、墓を継げる人がいないことがあります。かつては家制度のもと、長男が墓を継いでいました。現代では少子化が進み、男の子がいない家もあります。価値観の変化もあり、婿養子を迎える家庭も減っているのではないでしょうか。

理由2:金銭的に負担になる

墓がいらないという人が増加している理由には、経済的な事情も影響しているでしょう。お墓を建てるには、費用が必要です。墓石や墓地の区画購入などで、100万円を超えることも珍しくありません。自分が死んだ後の墓に、そこまでお金をかけたくないという人が増えていると言えます。

また、墓地の水道費などは、利用者たちが負担し合うのが一般的です。自分が死んだ後、こうした費用を払う人が見当たらないという事情も理由にあります。

お墓を持つメリット・デメリット

お墓を持つことには、メリットとデメリットの両方があります。メリットとしては、お墓があることで、故人の供養がしやすいことが挙げられるでしょう。デメリットは、コストや維持管理の手間がかかることです。

その一方で、メリットとデメリットでは片付けられない問題もあります。人の死をどう悼み、どう供養するかです。お墓の意味も含めて、メリットとデメリットを考えてみましょう。

お墓の意味

お墓は、どの国や地域でも宗教的な意味合いがあります。この世を去った人たちが眠る場所だからです。日本のお墓には次のような意味合いがあります。

  • 故人を供養する場
  • 故人が生きた証
  • 故人と出会える場  など

墓の最大の意味は、故人の供養の場でしょう。墓地という非日常の場所が、供養の場という特別な空間を作り出しているともいえます。家によっては仏壇があるかもしれませんが、実際に遺骨が眠っている墓地で手を合わせるのとは、神聖さが違うのではないでしょうか。

墓は、故人の生きた証の場でもあります。故人の名前が刻まれた墓標がこの世に存在することで、歴史の1ページに存在した証といえるでしょう。

3つ目は、故人と出会える場所という意味合いです。日本人は墓の前で手を合わせるとき、「私たちをお守りください」とお願い事をすることがあります。人によっては子どもが産まれたことなど、近況報告をするでしょう。墓は故人と対話する場所、あるいは心の中で再び出会える場所といえます。

お墓を持つメリット

お墓の意味合いを考えると、お墓を持つメリットは十分あると言えるでしょう。どのようなメリットがあるのかまとめました。

  • 子孫が供養できる
  • 遺骨の保管に最適
  • 家族のつながりが感じられる  など

身内が亡くなったときに、供養できる場所があることはメリットです。仏壇だと、ひとつの限られた場所にしか置くことができません。墓という独立した場所があることで、供養したい人は誰でも足を運んで手を合わせることができます。

また、墓は遺骨の保管に最適です。墓の材料となる石材、なかでも天然石材は耐久性が高いことで知られています。遺骨を何十年、何百年と安置する上で墓に勝るものはないでしょう。墓を持つことで、家族のつながりが感じられるのもメリットです。先祖代々続く墓は、死への恐怖や寂しさがを少しは解消されるかもしれません。

お墓を持つデメリット

現実的なデメリットもあります。コスト面や墓の維持管理です。決して無視できない課題ともいえます。デメリットを以下にまとめました。

  • お金がかかる
  • 墓の維持管理が手間
  • 生前から煩わしさを感じることも  など

相場としては、墓を建てるだけで車1台が買える程度の出費になります。高齢化社会で老後の収入への不安があるなか、墓に100万円以上かけることに躊躇するのも無理はありません。「永代使用料」といい、墓を所有すると墓地を管理する寺院などに支払い続ける固定費もあります。

墓の維持管理も大きな課題です。少子化で墓地の草むしりなどをする人がなかなかいない現状があります。いたとしても、かつてのように地元の学校を卒業し、地元で働き口を見つけてという時代ではありません。遠方に住んでいる親族が墓の管理をするのは大変な負担です。

墓があると、自分が死んだあと先祖の墓をだれが管理するのかなどの問題が発生することもあります。墓の管理をめぐって親族間でもめる原因にもなりかねません。煩わしさを感じることもあるでしょう。

お墓を建てない供養方法と費用

お墓の肝心な役割、供養については他の方法もあります。樹木葬散骨などは、墓にこだわらない形の供養として知られています。そのほか注目されているのは、納骨堂に収めるという方法です。最近では、手元供養や0葬(ゼロ葬)という方法まで登場しています。気になるのは費用でしょう。それぞれの供養の方法と費用を見ていきます。

樹木葬

樹木葬は、シンボルとなる木の周辺に、遺骨を埋葬するという供養の方法です。日本では1999年に岩手県の寺で初めて樹木葬が行われ、その後全国に広まったとされています。石材で墓を作らない分、安価な傾向です。

樹木葬は大きく分けて3種類あります。個人や家族単位の埋葬だと費用は20万円から80万円程度、周辺に複数の区画を設けてほかの遺骨も埋葬する場合は15万円から60万円、区画を設けずにほかの遺骨と一緒に埋葬する場合は5万円から20万円前後が相場です。

納骨堂

納骨堂は、遺骨を骨壺に入れて安置しておく場所です。納骨堂もいろいろなタイプのものがあります。小型のコインロッカーのようなシンプルなものから、納骨スペース周辺がライトアップされたような華やかなものまでさまざまです。納骨壇に、家の名前を職人が彫るサービスを提供しているところもあります。

個人単位での納骨や家族単位など、納骨の方法もまちまちです。費用は個人単位の納骨が50万円前後、家族単位だと100万円前後が相場と言われています。

散骨

散骨は海や山などに遺骨を粉末状にしてまくというものです。故人のゆかりの地や、思い入れのある場所に散骨するケースが多く見られます。

散骨は場所によって費用が異なります。海に散骨する場合の主な費用は、船のチャーター代です。大勢で海に出るほど、費用はかさみます。一般的には5万円から30万円前後が相場です。山に散骨する場合は5万円から10万円前後と言われています。そのほか粉骨や滅菌消毒、それに骨壺の費用で別途最大6万円前後かかるでしょう。

手元供養

手元供養は、自宅に遺骨を保管し供養する方法です。すべての遺骨を自宅で保管する方法と、一部を納骨堂などに収めて残りを自宅に持ち帰る方法があります。いずれの場合も、自宅で保管する遺骨は骨壺に収め、仏壇や飾り台と呼ばれる専用の台の上に置くのが一般的です。

手元供養は、骨壺や仏壇などにどの程度お金をかけるかで費用は変わってきます。骨壺は安いものだと1,000円以下、高いものだと30万円のものまでと千差万別です。仏壇は4千円から15万円が相場と言われています。

0葬(ゼロ葬)

ゼロ葬は火葬場で遺骨を持ち帰らずにそのまま立ち去るというものです。遺骨が手元にないため、その後供養する手段はありません。費用は、葬儀と火葬にかかる出費だけです。コストの面では最もお金のかからない方法でしょう。

火葬場によっては、ゼロ葬ができないところがあるので注意が必要です。こうした火葬場では、遺族が遺骨をすべて持ち帰ることを規則で定めています。地域差もあり、西日本は一般的にゼロ葬を受け入れる火葬場が多いようです。

お墓はいらないと決めたら

お墓は必要ないと判断したら、注意すべきことがあります。家族などに事前に相談して周知しておくことです。すでにあるお墓から遺骨を撤去することもできます。「墓じまい」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。お墓がいらないと決めたときの注意点や「墓じまい」についてご紹介します。

家族に相談・報告する

自分のお墓はいらないと決めたら、真っ先に家族に伝えましょう。自分が死んだあと供養するのは家族なので、墓は自分の問題であると同時に家族の問題でもあります。家族の理解を得ることが重要です。

墓を持たないという選択は、家族によっては受け入れがたいかもしれません。お墓はいらないという結論に至った気持ちを丁寧に説明しましょう。

必要ないお墓は「墓じまい」を

「墓じまい」は、すでにあるお墓のなかにある遺骨を別の場所に移動させることです。最近は「墓じまい」をする人が増えています。お墓を守る子孫がいなかったり、墓が遠かったりなどで、維持管理が難しいというケースが多いためです。墓を事実上撤去し、遺骨を身近な場所などに安置します。安置する場所は、永代供養墓や近くの納骨堂などが多いようです。

墓じまいの手順

墓じまいの流れをご紹介します。まず墓じまいをするとなったら、墓がある場所の自治体で手続きが必要です。改葬許可申請を出す必要があります。墓から遺骨を取り出し、新たな場所に移すための許可です。場合によっては、新たに遺骨を納める施設の「受入証明書」が必要なこともあります。詳しくは自治体に問い合わせてみるとよいでしょう。

閉眼供養といい、遺骨を取り出す際にお経をあげてもらって供養するのが一般的です。遺骨の取り出し後は、墓石を解体して更地にする必要があります。専門の業者に依頼しなければなりません。取り出した遺骨を新たな安置場所に保管する作業も必要です。安置方法や場所によっては、自治体からの改葬許可が求められることもあります。

墓じまいにかかる費用

墓じまいにかかる費用はケースバイケースで一概にはいえません。新たに遺骨を納める場所がどこかによって、金額は異なります。一般的なお墓や納骨堂などに収めるとすると、その費用も含めて100万円前後になります。お墓の解体やさら地に戻すために業者に支払う費用は、1平方メートルあたり平均で10万円前後です。

これまでの寺との付き合いを断ち、檀家を離れるための費用も最低10万円は見ておくべきでしょう。お経を読んでもらう費用や新たな墓などの建立費も考慮に入れる必要があります。

墓じまいによくあるトラブル

墓じまいをするにあたってトラブルも目立っています。その多くは金銭的な問題です。檀家を離れるにあたっての離檀料や、墓石の撤去費用をめぐるトラブルが多くを占めています。

せっかく墓じまいしたのに、移転先の環境が思っていたものと違ったというケースもあるようです。親族間でのいさかいに発展することも珍しくありません。よくあるトラブルをまとめました。

離檀料

離檀料とは、「檀家を離れる」つまり寺との付き合いをやめる際に支払うお布施を指します。
決まった金額はありません。今までお世話になった気持ちです。このため金額をめぐって寺との間でトラブルが絶えません。

背景には、寺側の経済的な事情があるのではないでしょうか。人口減少などにより檀家の数が減少し、寺の運営自体、厳しさを増しています。そのような中で、檀家を失うことは寺側にとっては大きな痛手だからです。円満に離檀できるよう、事前に墓じまいについても相談しておくとよいでしょう。

移転先

移転先が期待していたものとは違った、約束と違うといったトラブルも目立ちます。移転先がお墓なら、水道代や土地代などの維持費がどれくらいかかるかなどは、しっかり確認することが必要です。

樹木葬などを選んだ場合でも、個人だけの区画に埋葬されるのか、他の遺骨と一緒に埋葬されるかなど望んだ形になっているか事前に確かめましょう。移転先を選ぶ際には、実際に足を運んで確認することが大切です。せっかくお金をかけて墓じまいをしたのに、望んだものとは違ったとならないよう注意しましょう。

親族

親族間でいさかいに発展することもよくあります。ひとつは、墓じまいすることについて合意ができていない場合です。親族のなかには引き続き今までの場所で供養したいと考える人がいるかもしれません。事前に十分なコミュニケーションが必要です。

合意形成ができたとしても、費用の負担をめぐってトラブルになることもあります。最も多いのは負担割合です。離檀料のような金額が決まっていない出費については、見解の相違なども生じるかもしれません。

墓石撤去料

墓石の撤去料をめぐる業者とのトラブルも相次いでいます。見積額が高すぎる、見積もりを超える高額な費用を請求されたなどです。トラブルの背景には、墓の周辺環境が関係しています。

墓を撤去するのに道が狭くて重機が入らなかった、予想以上に撤去に手間がかかったといった場合に、高額の請求になるようです。見積もりは複数の業者から取るとよいでしょう。一般の方には相場が分かりにくいため、インターネットなどで事前に調べるのもひとつの方法です。

お墓がいらないことは生前に決めておくのがおすすめ

自分のお墓はいらないと思ったら、生前にしっかり決めておきましょう。具体的には家族や親族にその旨を伝えておくことです。お墓の代わりに、どのような方法で埋葬してもらいたいかも決まっていれば、あわせて伝えておくとよいでしょう。

事前に伝えることで、家族も準備することができます。自分が健在なら、家族と一緒に調べて準備を進めるとよいでしょう。口頭で伝えにくかったり、伝えられない状況にあったりする場合は、遺言書に希望を書くという方法もあります。

まとめ

この世を去ったら墓に入るものだという固定観念は、時代とともに薄れているのではないでしょうか。墓を先祖代々から受け継ぐという「家制度」も、少子化や未婚者の増加で、崩れつつあります。

墓に多額のお金をかけたくないという経済的な事情もあるでしょう。核家族化が進み一人っ子が増えた今、昔に比べて家族関係が密になり、墓のことで子どもや孫に負担をかけたくないという人が増えたという見方もあります。自分の墓はいらないという想いは、残される家族への心遣いという側面があるのかもしれません。

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