法定相続人は誰に当たる?範囲や相続順位をケース別に詳しく解説!

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法定相続人は誰に当たる?範囲や相続順位をケース別に詳しく解説!

更新日更新:2020/07/30

公開日公開:2020/07/30

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人生100年時代と言われていますが、自分が遺産相続する日はいつ来るか分かりません。いざというときに慌てないために、遺産相続について詳しく知りたい方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、法定相続人の範囲や相続順位について解説します。遺産相続に関するルールや法定相続人になれないケースを把握すれば、遺産相続の際にスムーズに対処ができるでしょう。また、相続の際に大きな意味を持つ遺留分の意味もご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

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ひとことメモ

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誰がどれだけ相続するのかは、原則的な分配が法律によって決まっています。もしも故人が遺言書を残していたとしても、その決まりの範囲を超えるような分配内容だった場合には、遺留分侵害額請求を行い自分の遺留分を確保することもできます。

遺産相続の予定がある場合は、法定相続人の範囲や順位について把握しておくとよいでしょう。

法定相続人とはどういうもの?

「法定相続人」と「相続人」の違いが分からずに、区別なく使っている方もいるのではないでしょうか。厳密に言うと、それぞれの意味は異なります。ここでは、法定相続人とはどういうものか、相続人との違いも含めて見ていきましょう。

法定相続人とは

法定相続人とは、民法で決められた相続人のことです。民法第886条~895条には、亡くなった方が残した財産は法定相続人が相続権を持つと記載されています。したがって、被相続人が亡くなった際は遺産分割協議を開き、法定相続人全員で遺産分割について話し合わなければなりません。

ただし、亡くなった方が遺言書を残していた場合、法定相続人以外の人間も遺産を相続することが可能です。

法定相続人と相続人の違いは?

遺産相続の権利を持つ方を法定相続人と言います。仮に遺産を受け取らなかったとしても、民法の規定で決められた方は法定相続人です。一方、相続人現実に遺産を相続する方で、相続を放棄した方は含まれません。

法定相続人と相続人で大きく異なるのは、実際に相続するかどうかです。相続を放棄した法定相続人は相続人にはなれませんが、法定相続人であることには変わりありません。

法定相続人の範囲と相続順位

父母・祖父母

亡くなった方の父母や祖父母の相続順位は、第2順位です。父母や祖父母は、民法では「直系尊属」と呼びます。直系尊属は、亡くなった方に子どもや孫がいない場合のみ相続権を持つことが可能です。ただし、亡くなった方の父母も祖父母も生きているなら、親等の近い父母だけが相続権を持ちます。また、直系尊属は代襲相続の権利はありません。

直系卑属と同じように、父母や祖父母の法定相続分も亡くなった方に夫や妻がいるかどうかで変わります。亡くなった方に夫や妻がいないなら、法定相続分は100%です。遺産全てを相続人で均等に分けます。一方、夫や妻がいる場合、夫や妻が3分の2、直系尊属が3分の1です。

兄弟姉妹

亡くなった方の兄弟や姉妹の相続順位は、第3順位です。ただし、兄弟や姉妹が相続権を持てるのは、亡くなった方に子どもや孫、父母や祖父母がいない場合に限られます。また、亡くなった方の配偶者の兄弟姉妹には相続権はありません。

法定相続分は亡くなった方に夫や妻がいないなら100%ですが、夫や妻がいれば、夫や妻が4分の3、兄弟や姉妹が4分の1を相続します。いずれの場合も、受け継いだ遺産は兄弟姉妹の人数で等しく分けなければなりません。

このように、夫や妻がいない場合を除くと、相続順位が下がるほど法定相続分も少なくなることが分かるでしょう。一方、遺産相続において優遇されている配偶者は、一定の法定相続分が保障されています。

【ケース別】遺産相続に関するルール

家族として生計を共にしていても、必ずしも血縁関係があるとは限りません。子どもや孫が養子だったり隠し子がいたりと家族の形はさまざまです。中には、自分が法定相続人として認められるのか不安に感じている方もいるでしょう。ここでは、具体的なケース別に遺産相続に関するルールをご紹介します。

子ども・孫が養子の場合

さまざまな事情で子どもを引き取り、養子縁組をした上で家族となるケースもあるでしょう。亡くなった方の子どもや孫が養子でも、法定相続人としての権利は第1順位である子どもや孫と同じです。血縁関係の有無は問われないため、実子と養子の法定相続分に差はありません。

例えば、亡くなった方に血縁関係のある父母や祖父母がいても、養子縁組をした子どもや孫の方が相続順位は上です。遺産は配偶者と養子が相続し、第2順位の父母や祖父母には相続権が与えられません。

子ども・孫が胎児の場合

遺産相続においては、相続開始時に妻のお腹にいる胎児も法定相続人です。民法886条では、亡くなった方の妻が妊娠中、あるいは子どもが孫を妊娠中の場合、まだこの世に生を受けていない胎児も相続権を持つと定めています。すでに生まれている子どもや養子と同等の権利を有し、複数の子どもがいても受け取る遺産の割合は変わりません。

例えば、亡くなった方の妻が妊娠中なら、妻も胎児も法定相続人です。他に子どもがいない場合、妻と胎児で遺産の2分の1ずつを相続します。

隠し子がいる場合

亡くなった方に隠し子がいた場合、第1順位の直系卑属と同じ権利を持ちます。法律上の婚姻関係にある両親から生まれた嫡出子と隠し子である非嫡出子には、法定相続分に差は生じません。どちらも同じ額を相続する権利があります。

隠し子の遺産相続に関する問題を巡っては、裁判でさまざまな争いが繰り広げられてきました。従来の民法では、非嫡出子の法定相続分は嫡出子の2分の1としていたためです。しかし、2013年に最高裁で違憲であるという判決が下されたため、現在は同等に取り扱うこととされています。

法定相続人が行方不明になっている場合

法定相続人の中には、相続開始時に所在が分からない方がいるかもしれません。しかし、行方不明でも相続権は失われていません

そのため、遺産相続について法定相続人同士で話し合う場合、行方不明の方を無視して話を進めるのは避けましょう。遺産分割協議は相続人全員の合意の上で成り立つとされているためです。いないこととして協議をすると、のちのちトラブルになる恐れがあります。

行方不明の方がいる場合、戸籍から現住所を調べたり失踪宣告の手続きをしたりして、できる限りの対処をした上で相続を進めましょう。

法定相続人になれない2つのケース

民法では、法定相続人の権利を剥奪するルールを設けています。法定相続人に該当すると思っている方でも、思わぬ理由で法定相続人の対象外になるかもしれません。ここでは、法定相続人になれないケースを2つご紹介します。

相続欠格の対象者

法定相続人になれないケースのひとつとして「相続欠格」が挙げられます。相続欠格とは、民法で定められた次のような違法行為を相続人が行った場合、法定相続人の権利を剥奪するという制度です。

  • 亡くなった方や先順位、同順位の相続人を故意に死亡させた、あるいは死亡させようとして罰せられた場合
  • 亡くなった方が他者に殺害されたことを知りながら告発や告訴しなかった場合
  • 詐欺や脅迫によって遺言書の作成を妨げた場合
  • 遺言書の偽造や破棄をした場合

これらの項目に該当する方は、相続欠格の対象者と見なされます。遺産は一切受け取れず、二度と相続権を持てません。

相続人廃除の対象者

法定相続人になれないケースとして、相続欠格以外に「相続人廃除」があります。相続人廃除とは、亡くなった方の意思によって法定相続人になる可能性が高い方から相続権を失くす制度です。亡くなった方に対して次のような行為を行った場合、相続人廃除の対象となります。

  • 虐待を行った場合
  • 著しい侮辱を行った場合
  • その他、顕著な非行があった場合

上記の行為が認められた場合、家庭裁判所に廃除請求の申し立てができます。亡くなった方が生前に申し立てることも可能ですが、遺言に基づいて遺族が行っても構いません。相続欠格と異なり、亡くなった方の意思が変われば相続人廃除の取消請求ができます。

遺産相続で忘れてはならない遺留分とは?

自らが法定相続人となるような方が亡くなることは決して多くなく、遺産相続は頻繁に関わることではありません。そのため、聞き慣れない専門用語ばかりで難しいと感じている方もいるのではないでしょうか。遺産相続の際に忘れてはならないのが「遺留分」です。ここでは、遺留分の意味や内容について解説します。

遺留分とは?

民法で定められた相続順位や人数によって法定相続分は異なります。法定相続分は、遺言がなかった場合に適用される相続割合です。しかし、特定の誰かに「全ての財産を譲りたい」といった遺言を被相続人が残していた場合、法定相続人でも遺産は1円も受け取れないのでしょうか。
このとき、問題となるのが「遺留分」です。遺言があるかどうかにかかわらず、法定相続人に保障された最低限の取り分を遺留分と言います。遺留分に相当する遺産はどのような遺言があっても保障されるので、納得がいかないときには異議を申し立てて構いません。

亡くなった方との関係性によって相続割合は異なりますが、多くの場合、法定相続分の2分の1が遺留分です。例えば、配偶者と子どもの法定相続分は2分の1ずつですが、遺留分は4分の1ずつになります。ただし、亡くなった方の兄弟姉妹に対しては、遺留分は適用されません。

遺留分の対象となるもの

遺留分の対象となる財産は、亡くなった時点で残された財産だけではありません。生前に贈与した財産も含まれます。遺留分の対象となる贈与は以下の通りです。

  • 亡くなった方が亡くなる1年前に贈与した財産
  • 相続人に対して特別に贈与した財産
  • 寄付のような遺贈した財産
  • 遺留分に損害を与えることが分かって故意に贈与した財産

以上の贈与を相続開始時の財産に加えた金額から、遺留分を算出します。

遺留分侵害額請求の期限・時効

遺言書を確認したところ、自分が受け取れる遺産が遺留分を下回る場合もあるでしょう。遺言書に相続人の遺留分を侵害する内容が書かれていたり、他の相続人によって遺留分が侵害されたりした場合、遺留分侵害額請求を行うことで自分の遺留分を確保できます。
ただし、遺留分侵害額請求には期限や時効があるので注意しましょう。遺留分侵害額請求の時効は1年です。遺留分の侵害を知ったら、1年以内に権利を行使しましょう。また、相続の開始から10年経過すると自動で権利がなくなるため、できる限り迅速な対応が求められます。

まとめ

法定相続人とは、民法で定められた相続人のことです。夫や妻は必ず法定相続人となり、子供や孫、父母や祖父母、兄弟姉妹という順位で相続が行われます。特定の誰かに全てを譲るといった遺言があっても、最低限の取り分である遺留分は保障されるので安心です。

相続に関する専門用語は多く、法律で決められた法定相続人の範囲や相続順位を理解していないと、いざというときに悩むこともあるでしょう。また、亡くなった方の子どもや孫が養子や胎児でも法定相続人になるため、相続権がないこともあり得ます。遺産相続をする予定があるなら、法定相続人の範囲や相続順位について把握することが大切です。

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