相続税申告が必要なケース・不要なケースをわかりやすく解説!手続きの方法も紹介

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相続税申告が必要なケース・不要なケースをわかりやすく解説!手続きの方法も紹介

更新日更新:2020/07/28

公開日公開:2020/07/28

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相続が発生すると、相続税の申告が義務付けられる場合があります。計算方法も難解で多くの書類をそろえなければならないため、どこから手をつけていいのか分からないとお悩みの方もいるのではないでしょうか。

相続税は必ずしも申告が必要なケースばかりではなく、条件によっては申告せずに遺産を受け取ることができる場合もあります。そこで今回は、どの場合に申告が必要となるのか必要なケース、不要なケースに分けて分かりやすく解説します。相続税について詳しく知ることで、手間のかかる相続税の計算や納税の手続きをスムーズに進められるでしょう。

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ひとことメモ

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相続税については、遺産総額次第で申告自体が不要なケースや、相続税控除の特例もあるため、節税のために前もって調べておくとよいでしょう。

もしも申告が必要な場合には準備しなければならない書類もかなり多く、知識なく一人で手配するのは難しいので、この記事を参考にまずは自分自身がその対象なのかを知って、準備を進めてみてください。

相続税申告が必要となるケース

相続税を申告しなければならないのは主に次の2通りで、算定の結果として納税が発生する場合と申告自体は必須でも納税額は0円となる場合があります。

仮に納付が1円もない場合でも、申告を怠ると罰則につながる恐れもあります。相続があった場合は、申告の要不要を確認しましょう。それでは、詳しく解説していきます。

遺産の総額が基礎控除額を超えているケース

すべての相続に対して「基礎控除」が適用されます。ただし、「遺産総額」がこの金額を超えた場合は相続税の申告が必須となります。

遺産総額とは、被相続人の相続財産から「負債額」とみなされる住宅ローンや葬儀代などを控除した金額のことを指します。ここで言う「相続財産」は「お金に換えることができるもの」を表しており、預貯金や株式などあらゆる換金可能なものが含まれるものです。

評価額は基本的に時価で決まりますが、土地に限っては評価方式が異なるため、8割程度の評価額になることが多いでしょう。基礎控除は「3000万円に600万円×法定相続人の人数を加算した額」となり、この金額を遺産総額が上回ったとき相続税を申告します。

軽減措置の適用で納税額が0になるケース

さまざまな特例を適用して、納税額が0円となったときも申告は必要です。申告しない場合は軽減自体が適用されず、多額の納税義務が発生してしまうこともあるので注意しましょう。

代表的な軽減措置のひとつとして、「小規模宅地等の特例」が挙げられます。この制度を使うと被相続人が事業に使っていたり、もしくは住んでいたりした土地の評価額を減額できます。一定の面積について50%~80%程度の評価額を減額可能です。たとえば譲り受ける土地が5,000万円なら、実際の評価額は2,500万~4,000万ほどまで圧縮されます。

また、相続人が配偶者の場合も特例が適用されます。法定相続分か、1億6,000万円のどちらか大きくなる方の金額を上限として非課税になる制度です。

相続税申告が不要なケース

申告しなくても構わないのは、次に紹介する3つのケースです。資産が基礎控除額を下回る、一部の特例を利用して納付額が0円となるなどの場合は申告書を作成する必要はありません。

また、遺産を受け取らないために申告の義務が発生しないことも考えられます。どのケースに当てはまるか、事前に確認しておきましょう。

遺産の総額が基礎控除額を超えていないケース

「3000万円に600万円×法定相続人を加算した額」が基礎控除されると前述しましたが、遺産総額がこの金額を超えない場合は相続税を申告する義務は発生しません。遺産がこの金額に1円でも満たなければ申告は不要です。

また、「被相続人が加入していた生命保険の死亡保険金」と、「被相続人に支給される死亡退職金」に関してはそれぞれ「500万円×法定相続人」の金額が非課税枠として扱われます。2種類の相続がこの金額に達しておらず、他の遺産も基礎控除を下回るなら申告は不要です。

この条件を1円でも超えた場合は申告が必要なので、計算は慎重に行うことをおすすめします。

相続税控除の特例で納税額が0になったケース

一定条件のもとに控除を認める特例を使用し、納税額が0円になったときも申告が免除されます。

  • 相次相続控除
    相続が発生した時点から過去10年にさかのぼり、その間に被相続人が相続税を支払っていた(相続を受けていた)場合は、「相次相続控除」と呼ばれる同じ資産に重複して課税しないための制度が適用されます。これを利用することで、該当する資産に対して納付済みの相続税額の一定割合が新たに算定される相続税から控除されます。
  • 未成年者に対する控除
    未成年者が相続人の場合は、 「20ー(相続人の年齢)×10万円」が控除の対象となります。年齢については年数のみを使用し、月数は切捨てです。
  • 障害者に対する控除
    85歳未満の障がいを持つ相続人は、「85ー(相続人の年齢)×10万円(※特別障害者は20万円)」で、年齢は切り上げとなります。

遺産を相続しないケース

相続や遺贈が発生したときに、相続税は初めて申告の義務が生じます。たとえ法定相続人で財産を受け取る権利があったとしても、受け取らなければ相続税を納める必要性もありません。

たとえば、本来相続する財産があったものの相続放棄を選択したときは、受け継ぐ資産は0円となるので申告は不要です。ただし、相続を放棄した人がいたとしても遺産の総額は減額されないので、他の人の相続税の負担は増える可能性があるという点に注意しましょう。

また、「みなし相続財産」と呼ばれる生命保険金などの死亡保障などは相続放棄しても受取ることが可能です。しかし、本来相続財産でないみなし相続財産は「500万円×法定相続人の人数」を上回ると課税対象となって申告が必要となるのでこちらも注意しておかなくてはいけません。

相続税申告の期限はいつ?

相続税は、被相続人が亡くなったことを認知した日の翌日以降10か月以内に申告する必要があります。長いようにも思えますが、思ったよりも時間がない場合も多いので、できるだけ前倒しでスムーズな申告を心掛けましょう。

また、義務があるにもかかわらず申告を怠ってしまうとペナルティとして「無申告加算税」を支払わなければなりません。脱税の意図が明確で悪質性が高いと懲役もしくは罰金の刑事罰が与えられる可能性もあるため、申告は確実に行うことが大切です。

相続税申告に必要な書類

申告に必要な書類は複数あり、一般的な書類は下記のようなものが挙げられます。以下は一例で、これ以外にも不動産や株式、その他の財産など相続の内容次第で追加の添付が発生する可能性もあります。

  1. 身分確認と財産分割に関する書類
    ・亡くなった人の、誕生から死亡までの戸籍謄本
    (相続が生じてから10日以降のもの)
    ・法定相続人全員分の戸籍謄本
    (相続が生じてから10日以降のもの)
    ・被相続人と相続人のマイナンバー確認資料
    (通知カードやマイナンバー記載の住民票の場合、別途本人確認書類が必要)
    ・被相続人の遺言書もしくは遺産分割協議書のコピー
    ・法定相続人全員の印鑑証明書
    (遺産分割協議書と同様のもの)
  2. 申告書
    ・所得税についての準確定申告書
    ・生前贈与を受けた人の相続時精算課税制度の申告書
    ・生前贈与を受けた人の贈与税の申告書

相続税申告の手続きの流れ

相続が発生した際は、まず自分が納税の対象となるかどうかを確認することが最初のステップとなるでしょう。書類を用意するなど、実際の手続きはその点が判明してから順次進めていくことになります。

具体的な手順3つのステップを紹介しますので、進め方に迷ってしまったときは順を追って必要な作業を確認してみてください。

1.申告の必要性と期限の確認をする

まず、自分が申告の対象なのかを確認しましょう。相続税はすべての人が申告するわけではなく、基本的には納税の必要性がある人のみ申し出る義務があるものです。

必要だと判明した際には、期限がいつまでなのかをその場で確認しておきましょう。無申告のまま期限切れの10か月後を迎えてしまうと、ペナルティとして延滞税を追加で納付するよう求められます。また、そのほかに無申告加算税や過少申告税などがかかることもあるので、期限は厳守することが重要です。

2.必要書類の準備と申告書の記入をする

続いて、必要書類を収集の上で申告書に記入することになります。相続税の申告のためにそろえなければならない書類は多く、場合によってはすべての相続人の必要資料を集めるために数ヶ月を要することも考えられるので、できる限り早めの行動を心掛けましょう。

相続する財産によっても準備する書類が増えるため、いざ手続きを開始する段階になって足りないものがないように事前にしっかりと確認して書類の取得を始めることが大切です。

3.税務署に申告書の提出と納付をする

提出する書類と申告書の準備が整ったら、被相続人が最後に住んでいた住所地を所轄している税務署で申告書の提出と納付を行いましょう。税金の納付自体は郵便局の窓口や、銀行などの金融機関でも行うことができます。

相続税は原則的に一括で納めますが、「相続税の額面が10万円以上」などの一定の条件下では分割納付を認められる場合もあります。ただし、延納を希望する金額と同程度の担保を差し入れなければならないなど厳しい条件があるため、基本的には一括で支払うことになるでしょう。

相続税を抑えるためのポイント

税法上の多様な制度を上手く利用することで、本来支払わなければならない相続税と比較すると大きく節税できます。使える制度を少しでも多く使って、なるべく納付額を小さくすることを意識しましょう。

詳細な知識がないと苦労することも多いので、専門家の知恵を借りるというのもひとつの節税方法です。

特例や控除を活用する

納付する税金を極力減らすためには、用意されている特例や控除を積極的に活用することが重要です。まず、基礎控除を利用することで「3,000万円+法定相続人の数×600万円」を遺産の総額から除外し、税額の算定に含めないことによって大幅な節税が可能になります。

また、墓地など葬儀の準備品や受取人が相続人となっている生命保険の一部など、課税対象外の財産を有効に活用しましょう。未成年、障がいのある人など、所定の条件を満たした場合に認められる控除も確認しておくことが大切です。

また、土地の評価額を減額できる可能性がある「小規模宅地等の特例」の制度を使う、上手く分筆して土地を相続するなどの方法も大きく納税額を減らせるのでおすすめです。

相続税に関する専門家に相談する

生前に可能な相続税を抑える対策は数多くありますが、相続が発生してから大幅に節税を行うためには、法律を熟知して利用できる節税方法を最大限に活用しなければいけません。そのため、相続税が専門分野ではない税理士に申告書の作成を依頼すると節税が不十分な申告書が完成してしまう場合もあります。

税理士にも得意とする領域があるため、相続税に明るい専門家を見つけることが大切です。土地を所有している場合は、税理士次第で評価額に大きく差がつくこともよくあるので注意が必要です。

最近では、終活全般をメイン業務として扱っている企業も登場しています。そういった企業であれば相続税を上手く抑えるポイントを熟知しているので、相談してみるとよいでしょう。

まとめ

遺産の合計金額が基礎控除額を超えている場合などは、相続税の申告が義務となります。一方、基礎控除額を下回る場合や控除の特例を利用して0円となった場合などは、申告しなくても罰則はありません。

10か月以内に申告しなければならず、必要書類も膨大な相続税の節税は難易度が高いため自分で最大限の節税を達成するのは難しいことも多いでしょう。税法を熟知している企業の専門家は可能な限り節税を実現できることが多いので、相談を検討するのがおすすめです。

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