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2011年08月 アーカイブ

2011年08月06日

日本の路地空間あれこれ~長野・安曇野編~

皆さんこんにちは。

「住宅の歴史から考える理想の暮らし」コラムを担当している市川です。

「日本の路地空間あれこれ」をテーマに日本各地の路地を紹介します。

私たちの生活に古くから根付き、暮しを支える道について考えていきたいと思います。

今回は、NHK朝の連続ドラマ「おひさま」の舞台にもなっている「長野・安曇野」を紹介します。

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(前回のコラムはこちら>>~日本の路地空間あれこれ~静岡・三島編~)

◆神様が見守る路地◆ 

安曇野は道祖神の宝庫といわれ、

生活の中心である道空間と神様が密接に関わってきた風景を見ることができます。

道祖神は、村の守り神として 道が交差する「辻」や、

3つに分かれる「三叉路」などを見守るように祀られています。

 

村人が五穀豊穣や、子孫繁栄、無病息災を願い身近な神様として祀った道祖神。 

男女のかわいらしい神様は、遠慮がちに寄り添って立つもの、

何気なく手を握るもの、 酒器を持っていたりと、その表情もユーモアとバラエティに富んでおり、

道行く人を楽しませてくれます。

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安曇野では建物が密集したような狭い路地はありませんが、

のどかな田園風景の中、信仰を大切にしてきた日本の農村の原風景を見ることができます。

 

他にも、安曇野にはたくさんの心が癒される風景があります。

のどかな田園風景にのびる一本道、幻想的な水辺の風景、

せせらぎの音と碧色が美しいわさび農場、映画やドラマの舞台になるのも納得です。

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自転車でゆっくり散策して、お気に入りの風景を探したい場所です。

 

◆安曇野の美術館を満喫する◆

安曇野には美しい美術館が多く点在します。

路地の話からは少しはなれますがいくつかご紹介したいと思います。

【安曇野 ちひろ美術館】

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絵本画家・いわさきちひろの原画を展示する絵本専門の美術館です。

いわさきちひろは子供の何気ない仕草や表情を生涯描き続け、

大胆な筆使いと水をたっぷり使った水彩の表現に惹かれる方も多いと思います。

その建物は周囲の山々の景観を損なわないように配慮されています。

芝生の丘に連続するように三角形の屋根形がみえ、 安曇野の清々しい空を切りとり、

丘の稜線と空の境界が美しいスカイラインを形成しています。

内部は魚の骨のような細かい木造の骨組みが印象的な明るく開放的な空間となっています。

そして、ちひろ美術館のもう一つの魅力は館内にたくさん置かれている「椅子」です。

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これらの椅子は建築家中村好文氏の作品で丸みのある柔らかなフォルムの造形は

体を包み込むようにつくられ、思わず座りたくなるような雰囲気を醸し出しています。

キッズコーナーや世界の絵本も多数あり、絵本を身近に感じることができる美術館です。

【碌山美術館】

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こちらの教会のようなシンボリックな建物は、

「東洋のロダン」と呼ばれた彫刻家・萩原碌山の作品を展示する美術館です。

教会風外観はキリスト教の洗礼を受けた碌山の精神性を表現したものだと伝えられています。

レンガ造りの建物は蔦に覆われ、 素材の凹凸が建物に深い陰影を与えています。

建築という人工物と植物や光といった自然の現象が美しく対比した魅力的な建物です。

ここでは教会という凛とした空間が碌山の思想を表現し、その精神性にふれることができます。

【安曇野絵本館】

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こちらは安曇野の森にひっそり佇む、大人のために絵本美術館です。

「大人がかつて子供だったことを思い出す」というユニークなコンセプトで創られ、

未就学児、団体はお断りという徹底ぶりです。

緑の濃い「千と千尋の神隠し」のワンシーンのような自然林のトンネルを抜け到着します。

細い路地のようなエントランスが絵本の世界への期待を高め、

内部はカフェとギャラリーの抑制された空間構成で、

2階の本屋では懐かしい絵本に浸ることができます。

森にせり出したテラスでは安曇野の自然を感じながら、

幼少時代に思いを馳せる安らぎの一時を 過ごすことができます。

 

豊かな風景や芸術に触れることができる安曇野、皆さんも是非体験してみて下さい。

 

さて、今回のコラムは如何でしたでしょうか?

次回は「日本の路地空間あれこれ~京都編~」をお話したいと思います。

それではまた次回、お会いしましょう。

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◇コラム執筆者◇
「住宅の歴史」から考える理想の暮らしコラム。
ライフスタイルの変化から見えてくるものとは?
住宅の昔と今を紐解きながら、理想の暮らしを考える。

一級建築士 市川 忍(ポラス暮し科学研究所

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