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世界に誇る日本の庭空間~回遊式庭園②~

皆さんこんにちは。

「住宅の歴史から考える理想の暮らし」コラムを担当している市川です。

日本の庭空間をテーマに連載中です。

今回は回遊式庭園の中でも世界遺産に登録されたものをご紹介したいと思います。

P1070473.JPG

◆王朝文化と禅の融合 天竜寺曹源池庭園◆

前回ご紹介した大名庭園は江戸時代に作庭されたものでした。 

(前回のコラムはこちら>>~世界に誇る日本の庭園文化~回遊式庭園①~)

天竜寺曹源池庭園は時代を少しさかのぼり、鎌倉時代に作庭されました。

京都嵐山を借景にした池には四季の彩りが映りこみ、

大名庭園の迫力とは異なる世界観をみることができます。

特に池の一部に見ることができる「州浜」という曲線形状は、

州が入り組んだ「海辺の風景」を表現したもので、

平安時代、貴族の宮廷の庭にみられる形式です。

一方、池の対岸に視線を移すと日本最古とわれる石橋と中国の伝説に基づいた石組があり、

平安時代の王朝文化と鎌倉時代の禅という2つの異なる文化が一つの庭で表現されています。

P1070465.JPG

◆極楽浄土を夢見た貴族の庭 平等院鳳凰堂◆

鎌倉時代から更にさかのぼり平安時代後期。

世の末の到来を悲観した末法思想が人々に広がります。

貴族達は競うように阿弥陀如来像を祀り、極楽浄土を想い描いたのです。

この平等院鳳凰堂は、当時栄華を極めていた藤原氏が創建し、

その姿は鳳凰が羽を広げたような造形をしています。

東を向くように池の中心に配置された鳳凰堂は西方浄土を表現しており、

日没時は夕日の光につつまれ、当時藤原氏が想い描いた極楽浄土をみることができます。

P1060461.JPG

回遊式庭園は平安時代から受け継がれる日本人の思想そのものなのです。

 

 さて、今回のコラムは如何でしたでしょうか?

次回は「世界に誇る日本の空間~坪庭~」をお話したいと思います。

それではまた次回、お会いしましょう。

 

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コメント (2)

なおれま:

平等院鳳凰堂は、極楽浄土を夢見た貴族の庭だったんですね。
画像からも立派で優雅な様子が伝わります。
藤原氏が想い描いた極楽浄土を見てみたくなりました。

市川:

なおれまさんへ
コメントありがとうございます。現在は色褪せてしまいましたが、当時の堂内の壁や柱には色鮮やかな彩色がされていたそうです。楽器を奏で、舞を舞う菩薩像をみると平安時代にタイムスリップしたような神秘的な体験をすることができます。この宇治の近辺は別荘地として栄えたそうで、鳳凰堂は寺院として建てられました。一見、寝殿造りという邸宅風に作られていますが、渡り廊下は人が歩くことを想定していない装飾的なものであったり、池の対岸から阿弥陀如来像のお顔を拝むために円窓が設けられたりと他ではできない貴重な空間体験ができます。是非、足を運んでみて下さい。

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