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2011年02月 アーカイブ

2011年02月10日

世界に誇る日本の庭空間~回遊式庭園①~

皆さんこんにちは。

「住宅の歴史から考える理想の暮らし」コラムを担当している市川です。

前々回より日本の庭園文化をテーマに連載しています。

今回は代表的な回遊式庭園をご紹介し、その魅力をたどりたいと思います。

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◆回遊式庭園とは?◆

皆さんも一度は回遊式庭園を訪れた経験があるかと思います。

前回のコラムで紹介した枯山水は建物の内側から鑑賞するものですが、

回遊式庭園は庭を歩きながら鑑賞する庭園です。

(前回のコラムはこちら>>~世界に誇る日本の庭園文化~枯山水の今昔②~)

多い形式としては、池を中心として周囲に園路が廻らせてあり、

所々に橋が架かかり、池に小さな島などが配置されているものです。

歩くのと同時に季節ごとの草木や水面に映る景色が変化し、能動的な楽しみ方をする庭です。

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現存する回遊式庭園の多くは江戸時代に作庭されたものが多く、

広大な敷地を利用した大胆な空間構成が特徴です。

この時代ものは、日本庭園史の集大成であり「大名庭園」ともよばれています。

大名の権威を示す庭園は迫力があり男らしい空間体験のできる庭です。

 

◆冬景色の楽しめる大名庭園!加賀百万石の兼六園◆

水戸の偕楽園、岡山の後楽園に並び日本三大名園の一つ金沢市の兼六園。

兼六園は、寒い雪の季節でも足を運びたくなる庭園です。

雪化粧された庭園の中、円錐形に雪吊された木々の意匠は幻想的な庭園風景を作り出します。

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また、兼六園は「水景の美しい庭」としても有名です。

高台に築かれた霞が池とそこから渓流のように流れだす水の景色は「曲水」とよばれ、

ポンプなどの動力機械を用いず、用水路から自然の力を利用して引き揚げつくられたものです。

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曲線の水のながれに雁行するように架けられた橋が自然を引き立て、

歩みを進めると同時に、次々と変化する景色に驚かされます。

回遊式庭園の醍醐味である「風景の移り変わり」を満喫できる庭園です。

 

◆国内最大級!栗林公園◆

栗林公園は高松市内にあり、特別名勝に指定されている庭園です。

全国35ヶ所の名勝の中でも最も広い敷地面積をもつ庭園で、

広大な敷地に描かれた風景は、そのスケール感から圧倒されます。

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紫雲山をバックにした借景に、池越しにみる茶室「掬月亭」は美しく、

四季の変化を感じることができる自然美と、人の手によって作られた造形美を堪能できます。

また、庭園内には様々な形に剪定された松の木がよく手入れされており、

匠の職人芸を随所にみることができます。

時代劇の舞台となりそうな「大名庭園の迫力」が楽しめる庭園です。

 

◆潮の干満を利用した浜離宮恩賜公園◆

浜離宮は東京湾に隣接し、都内では唯一鑑賞できる潮入り式の庭園です。

元は徳川家の鷹狩場として利用されていましたが、

何度か改修されながら現在の形になりました。

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当時は浜御殿と呼ばれ、将軍の別邸として利用されていたようです。

庭園は鴨場と潮入りの池に分かれており、潮の満ち干によって池の水位が変化し

同じ庭でも時間帯により異なる景色を楽しむことができます。

周囲には汐留の高層ビル群が並び、都会のオアシスとして憩いの場となっています。

 

回遊式庭園は自然のもつ雄大さに人の知恵や手仕事が加えられ

「自然の縮図」を表現した日本が誇る文化なのです。

 

 さて、今回のコラムは如何でしたでしょうか?

次回は「世界に誇る日本の空間~回遊式庭園②~」をお話したいと思います。

それではまた次回、お会いしましょう。

 

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2011年02月21日

世界に誇る日本の庭空間~回遊式庭園②~

皆さんこんにちは。

「住宅の歴史から考える理想の暮らし」コラムを担当している市川です。

日本の庭空間をテーマに連載中です。

今回は回遊式庭園の中でも世界遺産に登録されたものをご紹介したいと思います。

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◆王朝文化と禅の融合 天竜寺曹源池庭園◆

前回ご紹介した大名庭園は江戸時代に作庭されたものでした。 

(前回のコラムはこちら>>~世界に誇る日本の庭園文化~回遊式庭園①~)

天竜寺曹源池庭園は時代を少しさかのぼり、鎌倉時代に作庭されました。

京都嵐山を借景にした池には四季の彩りが映りこみ、

大名庭園の迫力とは異なる世界観をみることができます。

特に池の一部に見ることができる「州浜」という曲線形状は、

州が入り組んだ「海辺の風景」を表現したもので、

平安時代、貴族の宮廷の庭にみられる形式です。

一方、池の対岸に視線を移すと日本最古とわれる石橋と中国の伝説に基づいた石組があり、

平安時代の王朝文化と鎌倉時代の禅という2つの異なる文化が一つの庭で表現されています。

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◆極楽浄土を夢見た貴族の庭 平等院鳳凰堂◆

鎌倉時代から更にさかのぼり平安時代後期。

世の末の到来を悲観した末法思想が人々に広がります。

貴族達は競うように阿弥陀如来像を祀り、極楽浄土を想い描いたのです。

この平等院鳳凰堂は、当時栄華を極めていた藤原氏が創建し、

その姿は鳳凰が羽を広げたような造形をしています。

東を向くように池の中心に配置された鳳凰堂は西方浄土を表現しており、

日没時は夕日の光につつまれ、当時藤原氏が想い描いた極楽浄土をみることができます。

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回遊式庭園は平安時代から受け継がれる日本人の思想そのものなのです。

 

 さて、今回のコラムは如何でしたでしょうか?

次回は「世界に誇る日本の空間~坪庭~」をお話したいと思います。

それではまた次回、お会いしましょう。

 

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